癌性髄膜炎の治療
概要
癌性髄膜炎(白膜転移・髄膜癌症)は、がん患者100人に約5人が罹患します。主に乳がんや脳腫瘍で見られますが、転移性がんであればどんな種類でも起こり得ます。症状は筋力低下、運動失調、頭痛、認知機能障害などです。治療が行われない場合、診断から2〜3か月の余命です。治療は根治よりも症状コントロールが中心で、放射線療法、化学療法、緩和ケアが主に用いられます。
放射線療法
短期間で実施され、患者の耐容性も比較的良好です。主に脳とその周囲の髄膜に照射し、症状緩和を目的とします。高線量で腫瘍細胞を根絶しようとすると、骨髄抑制が強くなり、治療継続が困難になるリスクがあります。
化学療法(髄腔内投与)
髄膜炎に対する化学療法は、腰椎穿刺で薬剤を直接脊髄腔に注入する方法が一般的です。繰り返し投与が必要な場合は、オマヤカテーテルを設置し、痛みや手技の負担を軽減します。症状の緩和と生存期間の延長(数か月程度)に効果が期待されます。
化学療法(静脈内投与)
近年は静脈投与による治療も検討されています。脊髄腔への直接注入が不要になるため、患者負担が軽減します。髄腔内投与と併用することで、効果が向上した例も報告されています。
症状緩和・緩和ケア
予後が極めて不良であるため、多くの患者と家族は緩和ケアに重点を置きます。疼痛緩和や運動機能の改善を目的とした薬剤が使用され、病気そのものの治癒ではなく、残された時間の質を高めることが目標です。
まとめ
現在、癌性髄膜炎に対する根本的な治療法は確立されていませんが、放射線療法、髄腔内・静脈内化学療法、緩和ケアを組み合わせることで症状のコントロールと生存期間の延長が期待できます。治療選択は患者の全身状態や希望に応じて個別に検討することが重要です。
