Whipple手術後の平均余命
対象
Whipple手術は膵頭部癌をはじめ、十二指腸癌、胆管癌(胆管下端部の癌)や腸胆管接合部(膵胆管が合流する部位)の癌治療に広く用いられます。近年は慢性膵炎や良性腫瘍など、生命に直結しない疾患にも安全に適用できるようになっています。
リスク
手術を受けた患者の約3割が何らかの合併症を経験します。主な合併症は膵液漏出(膵瘻)、胃麻痺、吸収不良、体重減少などです。合併症は回復期間を延長させますが、余命自体を短くすることは少ないとされています。
死亡率
1960~1970年代は手術死亡率が25%に達していましたが、腹腔鏡手術の導入や外科医・施設の経験蓄積により大幅に改善されました。現在、主要な外科センターでは死亡率は5%未満です。Johns HopkinsやMemorial Sloan Ketteringの研究は、死亡率・余命は手術を行う病院と外科医の経験に強く依存することを示しています。
余命と生存率
余命はがんのステージ・グレード、患者の年齢・全身状態など多くの要因で左右されます。そのため、余命は「一定期間生存した患者の割合」として示す生存率で表現されることが一般的です。
生存率
- 膵臓がん全体の5年生存率は約5%です。
- Whipple手術を受けた患者は5年生存率が約20%に上昇します。
- リンパ節転移がない場合は5年生存率が40%に達します。
- 良性腫瘍や慢性膵炎で手術を受けた場合は根治が期待でき、自然な長寿が期待できます。
