ADHDの診断に用いられる各種テストと評価方法

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、幼少期に発症し成人まで続くことがあります。主な症状は注意力の低下、座っていられない、衝動的な行動です。治療が行われないと、家庭・学校・職場でさまざまな問題を引き起こします。根本的な治癒法はありませんが、薬物療法や行動療法で症状の管理が可能です。

医療歴の聴取

医師はまず、ADHDや学習障害などの可能性を探るために、患者の医療歴を詳しく聞き取ります。具体的には、出生時の状況(母体の健康状態、喫煙・飲酒・薬物使用の有無、出産経過)や、子どもの発達歴、過去の病歴、睡眠パターンなどを確認します。また、子どもの性格や行動パターン、友人や家族との関係についても詳細に質問し、問題行動の具体的な様子を把握します。

身体検査

身体検査は、ADHD以外の疾患が原因である可能性を除外するために行われます。身長・体重・血圧の測定、聴覚・視覚の検査、四肢や体幹の先天的な異常の有無、神経系の評価(不随意運動、協調障害、反射異常など)を実施し、年齢相応の基準と比較します。

行動評価尺度

教師や保護者が記入する評価尺度は、ADHDの症状を客観的に測定するための重要なツールです。代表的な尺度には以下があります。

  • 保護者用:Connors Parent Rating Scale(子どもの症状を評価)・Child Behavior Checklist(広範な行動問題を測定)
  • 教師用:Connors Teacher Rating Scale(教室での行動)・Child Behavior Checklist/Teacher Report Form、Child Attention Problems(薬物治療後の変化を追跡)

評価尺度の医療的レビュー

評価尺度の結果からADHDが疑われる場合、医師はDSM‑IV SNAPチェックリストを使用します。このチェックリストは過活動・不注意・衝動性を評価し、ADHDのタイプ(不注意優勢、過活動優勢、混合型)を特定します。評価は医師、保護者、教師のいずれかが実施できます。

成人ADHDの評価

成人になってもADHDが診断・治療されないケースは少なくありません。放置すると自己肯定感の低下、学業・職業の失敗、薬物乱用、うつ病などのリスクが高まります。成人のADHD診断にはWender Utah Rating Scale(WURS)が用いられ、子どもの頃の典型的な困難について25項目の質問に答える形式です。

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