ADHDと攻撃性

定義

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、注意力の低下、衝動のコントロール困難、過度の活動性の3つの主な特徴を持つ慢性的な行動障害です(Nolen‑Hoeksema, 2004)。

米国疾病予防管理センター(CDC)の2006年の調査では、5歳から17歳の子ども約450万人がADHDと診断されていますが、すべての子どもが攻撃性を示すわけではありません。

ADHD研究者のラッセル・バークリー博士によれば、ADHDの子どもの約65%が規律上の問題を抱えており、その中で攻撃性が顕著に現れることがあります。

症状

マヨ診療所は、ADHDの主な2タイプ(不注意型、過活動/衝動型)に関する症状を示しています。

不注意型の子どもは主に集中力の欠如が問題で、攻撃性はあまり見られません。一方、過活動/衝動型では、衝動的な反応として攻撃性が現れることがあります。具体的なサインは、許可なく席を立つ、授業中に落ち着きなく体を動かす、静かに遊べない、話しすぎる、順番を待てない、会話やゲームに頻繁に割り込むなどです。

攻撃性の原因

過活動/衝動型の子どもは、自己の欲求がすぐに満たされない状況に耐えられず、イライラや不耐性が高まります。その結果、口頭または身体的な攻撃行動で欲求を満たそうとします。具体例としては、罵倒、叫び、軽蔑的な発言、拳で叩く、押す、蹴るなどが挙げられ、これらはしばしば同時に起こります。

予防・対策

ADHDにおける衝動性は予測が難しいため、日常生活では「ルーティン」「明確で妥当な期待」「一貫した結果」の3本柱が有効です。例えば、食事中に席を離れたがる子どもには、5〜10分間の散歩時間を設け、家族の邪魔をしないことを条件に許可します。これにより、子どもの即時的な動きへの欲求を満たしつつ、攻撃的エピソードを防げます。

結果の設定

攻撃的行動に対する結果は事前に決め、予測可能にしておく必要があります。ADHDの子どもは過去の行動と現在の結果を結びつけにくいため、リアルタイムでの対応が効果的です。例として、食卓で口論がエスカレートした場合、直後にゲーム時間を5分削減するなど、即時の結果を設定します。席に留まらせ続けると逆に身体的攻撃がエスカレートする恐れがあります。

治療の選択肢

現在、ADHDの最も効果的な治療は薬物療法です。代表的な薬剤にはコンセプト、ストラテラ、バイバンスなどがあります。薬を検討する際は、精神科医の診断を受けることが重要です。一次医療の医師でも処方は可能ですが、診断や併存する精神的問題の評価は専門医が行うべきです。

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