ハトの糞が引き起こすアレルギーと健康リスク

多くの人が公園でハトにパンくずを与えるのを楽しんでいますが、これらの「翼のあるネズミ」は60種以上の病原体を運び、喘息に似た呼吸器症状(息切れ、喘鳴、咳、鼻づまり)を引き起こすことがあります。特にハトの糞に含まれる真菌感染症、Cryptococcus(クリプトコッカス)とHistoplasma(ヒストプラズマ)は世界的に問題視されています。

Cryptococcus(クリプトコッカス)感染症

Cryptococcus neoformans(旧名:トルロシス、欧州ブラスチモコシス)は、ハトの糞が付着した窓辺や屋根、非常階段などの高所で繁殖します。コウモリの糞にも同菌が含まれます。環境中に広く存在し、通常の生活で接触する量は健康な人に大きな影響を与えませんが、免疫機能が低下している人、HIV感染者、外科手術後や皮膚創傷がある人は感染リスクが高まります。

米国陸軍予防医学センターの報告によると、ハトやコウモリの糞に汚染された有機性粉塵はCryptococcus neoformans の主要な環境源であり、古いハトの止まり木からは84%のサンプルで菌が検出されています。糞1gあたり最大5,000万CFU(コロニー形成単位)に達することも報告されています。

毎年、世界各国でハトの糞への曝露により数千人が感染し、症状は新鮮な糞でも古くなった糞でも発生します。

Histoplasmosis(ヒストプラズマ症)

Histoplasma capsulatum はハトの止まり木下の土壌に多く見られ、ハトの糞で汚染された水・土・砂などの有機物に宿ります。乾燥した糞から舞い上がった胞子を吸い込むことで感染します。温暖で湿度の高い環境で繁殖しやすく、軽度のインフルエンザ様症状(頭痛、筋肉痛、吐き気、下痢、発熱、悪寒)を呈しますが、免疫低下者では失明、肺炎、最悪の場合死に至ります。人から人への感染はありません。

ハトの糞によるアレルギー症状

乾燥した糞の粉塵は鼻粘膜を刺激し、くしゃみ、咳、過剰な粘液、息切れ、めまい、目の灼熱感・かゆみ・充血などを引き起こします。皮膚にじんま疹や発赤が出ることもあります。ハトの糞が多くたまる場所で作業する際は、以下の防護策が推奨されます。

  • 鼻と口を覆うマスクの着用
  • 保護ゴーグルで目を覆う
  • ゴム手袋の着用
  • 作業後は温水と抗菌石鹸で十分に洗浄し、爪の間までしっかり洗い流す

知的な鳥、ハトの驚くべき能力

ハトは世界で最も賢い鳥とされ、鏡に映った自分を認識できる唯一の哺乳類以外の動物です。また、人間の写真と実物を区別でき、英字26文字を識別する能力も報告されています。競走や伝書鳩として利用され、人類に長い歴史で貢献してきました。

参考情報:NIOSH

ハトの糞に関するアレルギーや感染症の詳細は、医師や保健専門家に相談してください。また、清掃・除去作業に伴う健康リスクについては、米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)に問い合わせると有用な情報が得られます。

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