水素添加植物油とピーナッツアレルギー
はじめに
International Study of Asthma and Allergies in Childhood(ISAAC)によると、子どもを対象とした大規模疫学研究では、食事中のトランス脂肪酸がアレルギーや喘息などのアトピー性疾患のリスクを高めることが示されています。また、メイヨークリニックの専門家は、子どもに多いピーナッツアレルギーが、アナフィラキシー(重篤な全身性アレルギー反応)の主要な原因のひとつであると指摘しています。
水素添加植物油とは
水素添加植物油は、液体の植物油に水素原子を付加して固体脂肪に変えたものです。部分的に水素添加されると、健康に悪影響を与えるトランス脂肪酸が生成され、油中に残ります。
部分水素添加された植物油はバターに似た硬さを持ち、マーガリン、ショートニング、オレオなどの加工食品に広く使用されています。また、多くのスナック類やファストフードにも添加されています。
ピーナッツアレルギーの重症度
ハーバード医科大学のアレルギー専門医、アンナ・フェルドウェグ博士によれば、ピーナッツアレルギーが極めて重い人は、微量のピーナッツ成分に触れただけでも危険です。ピーナッツの残留物が含まれる空気を吸ったり、ピーナッツバターを使った器具で食事をしたりすると、アレルギー反応が起こります。
ローストされたピーナッツでも、加熱だけではすべてのアレルゲンが失われないため、反応を引き起こすことがあります。
関連アレルゲン
ピーナッツアレルギーを持つ人は、大豆、インゲン、キドニービーンズなど、ピーナッツと構造が似たタンパク質を含む食材にもアレルギーを示すことがあります。また、アーモンドやカシューナッツといった木の実に対しても過敏になるケースが報告されています。食物アレルギーを持つ人は、花粉症など他のアレルギーを併発しやすい傾向があります。
植物油に関わるリスク
フェルドウェグ博士は、精製されたピーナッツ油や一般的な植物油は、脂肪だけで構成されているため、ピーナッツアレルギーの人が反応することはほとんどないと説明しています。製造過程でアレルゲンとなるタンパク質は除去されます。
しかし、未精製のコールドプレスピーナッツ油や粗製油は、微量のピーナッツタンパク質が残っている可能性があるため、重度のアレルギー患者は注意が必要です。
予防と対策
ピーナッツアレルギーのある子どもや大人は、未精製のピーナッツ油や、ナッツ類が含まれる可能性のある食品は避けるべきです。精製された液体植物油(例:コーン油)は安全に使用できますが、ゴマ油やクルミ油などの特殊油は未精製であることが多く、微量のナッツや種子が残留している可能性があります。製品表示で「アラチス油」や「ピーナッツ油」と記載されているものは要注意です。
また、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加植物油の摂取は、アレルギーリスクを高める可能性があるため、できるだけ控えることが推奨されます。原材料に「水素添加」や「トランス脂肪」が含まれる製品は購入しないようにし、外食時は揚げ物の摂取を控えると良いでしょう。
