関節炎の進行を遅らせ、止め、逆転させるための選択肢
変形性関節症(OA)は、米国で約1600万人が罹患している変性関節疾患です。40歳以降に軟骨がすり減り、関節の硬直や圧痛が現れます。肥満や血行不良、職業的な負荷が発症リスクを高めます。一方、関節リウマチ(RA)は自己免疫疾患で、関節の腫れ・炎症・変形、慢性的な痛みを引き起こします。
近年、薬剤・サプリメント・食事療法といった新しいアプローチが、症状の緩和だけでなく、病態の進行を遅らせたり、停止させたり、場合によっては逆転させる可能性が示唆されています。
薬剤
エタネルセプト(エンブレル)
RAの治療薬で、炎症を引き起こすタンパク質(TNFα)を阻害します。関節破壊を抑え、症状を軽減しますが、感染症やがんのリスクがあるため、医師の管理が必須です。
セレコキシブ(セレブレックス)
NSAIDsの一種で、プロスタグランジンの生成を抑制し、痛み・熱・腫れを和らげます。症状緩和に有効ですが、疾患そのものの進行を直接止めるわけではありません。ただし、痛みが軽減すれば運動がしやすくなり、結果的に関節の劣化を遅らせることが期待できます。胃出血や心血管系のリスクがある点に注意が必要です。
サプリメント
グルコサミン・コンドロイチン
骨・腱・靭帯・軟骨・関節液の形成に重要なアミノ糖です。特に硫酸塩形態のグルコサミンは軟骨の退化を抑制すると報告されています。コンドロイチン硫酸と併用すると効果が高まる可能性があります。
ジメチルスルホキシド(DMSO)・メチルスルホニルメタン(MSM)
DMSOは外用で炎症を軽減し、組織修復を促すとされています。MSMは経口摂取できる有機硫黄化合物で、関節組織の弾力性維持に寄与します。両者とも効果が現れるまでに数日から数週間要します。血液を薄める薬と併用する際は医師に相談してください。
ビタミンE(d-α-トコフェロール)
強力な抗酸化作用で活性酸素による関節損傷を防ぎ、可動域を改善します。関節炎患者ではビタミンE濃度が低いことが報告されています。鉄を含むマルチビタミンは合成鉄が炎症を悪化させる可能性があるため、避けた方が安全です。
食事
硫黄・ビタミンKを多く含む食品
アスパラガス、卵、にんにく、玉ねぎなどの硫黄食品は骨・軟骨の再構築に必要です。緑葉野菜はビタミンKが豊富で、ミネラルの骨への沈着を助けます。ビタミンKは野菜、非酸性果実、オートミール、玄米、魚、豆腐、アボカドにも含まれます。
ブロメラインを含むパイナップル
新鮮なパイナップルに含まれる酵素ブロメラインは炎症を抑制しますが、加熱や冷凍・缶詰にすると酵素活性は失われます。
オメガ3とオメガ6のバランス調整
オメガ6系脂肪酸はCOX‑2酵素を活性化し炎症を促進します。オメガ3系脂肪酸を多く摂り、オメガ6を減らすことで、1:1に近い比率を目指すと炎症抑制につながります。オメガ3はくるみ、亜麻仁、ヘンプシード、チアシード、サーモン、ツナ、スピルリナに豊富です。オメガ6は主に乳製品や赤肉に含まれます。
