成人のテザーコード症候群
はじめに
テザーコード症候群は、脊髄が脊柱内で自由に動くことを妨げる組織の付着により起こる、稀な進行性疾患です。先天性の脊髄披裂(spina bifida)や、外傷・手術後の瘢痕組織、腫瘍や脂肪腫などが原因となります。
先天性テザーコード症候群
出生時に存在することが多いですが、診断が遅れることもあります。成長スパート期に症状が顕在化し、成人になってからも軽度の症状が怪我や椎間板ヘルニア、過度のストレッチなどで悪化することがあります。
成人期テザーコード症候群
成人になってから発症することもあります。例えば、背部外傷や手術後に瘢痕組織が脊髄周囲の液体循環を妨げ、嚢胞が形成されるケースです。また、腫瘍や良性の脂肪腫(リポーマ)によっても起こります。
症状
- 脚の後面や足裏の疼痛
- 脚のしびれやチクチク感
- 筋痙攣や筋力低下、筋萎縮
- 歩行困難
- 足底部の痛み、活動時に増悪する腰痛
- 感覚障害に伴う排尿・排便失禁
診断
主に磁気共鳴画像(MRI)で診断されます。MRIの普及により、成人でも症状が進行していても確定診断がつきやすくなっています。
治療
症状の緩和と合併症予防のため、外科的減圧手術が推奨されます。手術により失われた機能の一部が回復することも期待できますが、症状が軽度で生活に支障が少ない場合は手術に対する抵抗感が生じることがあります。
