ボタンニエ変形とスプリント療法

外傷性ボタンニエ変形

指の中心滑車(セントラルスリップ)が裂傷や閉鎖性破裂で損傷すると起こります。皮膚を貫通する外傷や、曲げた指に強い力が加わった場合に中心滑車が断裂し、PIP関節が屈曲、DIP関節が過伸展した姿勢になります。

滑膜炎によるボタンニエ変形

関節リウマチなどの慢性炎症性疾患では、滑膜炎により中心滑車が伸長し、同様の変形が生じます。関節リウマチ患者の約3割がボタンニエ変形を呈し、外科的矯正が必要になることが多いです。

非外科的治療

開放裂傷や慢性炎症がない場合、中心滑車の損傷後は6週間程度のスプリント固定が推奨されます。スプリントはPIP関節を伸展位に保ち、DIP関節は可動させたままにします。治癒の目安は、患者がPIP関節を伸展した状態でDIP関節を能動的に屈曲できることです。

早期にスプリントを装着し、指の伸展を遵守できれば最良の結果が得られます。作業療法や自宅でのリハビリで指の筋力と柔軟性を高め、スポーツや激しい活動を続ける場合は保護スプリントやテーピングを数週間継続します。

外科的治療

通常は3か月以上のスプリント療法を試した後に手術を検討しますが、裂傷による急性変形や大きな骨折がある場合は早期手術が必要です。裂傷の場合は非吸収性縫合で中心滑車を修復し、術後4〜6週間はPIP関節を伸展に保ちつつDIP関節は自由にします。骨折が変位している場合は開放整復と内部固定が行われます。

手術の主な目的は、PIP関節を伸展させた状態で固定ピンを入れ、必要に応じて腱切開(テノトミー)を行い解剖学的配列を回復させることです。術後は6週間以上スプリントで固定し、固定方法は外科医の好みや手術内容に応じて選択されます。

ボタンニエ変形用スプリント

スプリントはPIP関節を伸展位に固定し、DIP関節は動かせるようにします。市販のスプリントやカスタムメイドのものがありますが、必要に応じて掌側関節(MCP)や手首まで固定することもあります。MCP関節を含める場合は伸展位に保持し、中心滑車と側帯の緊張を緩和します。

医師の指示した期間は必ず守りましょう。若年者は通常6週間、 高齢者は3週間程度で済むことがあります。治療終了後も夜間にスプリントを装着し、変形の再発を防止します。

注意点

いかなる怪我や疾患でも、早期に専門医の診察を受けることが重要です。自己判断での治療は症状の悪化や適切な回復を妨げる恐れがあります。

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