骨髄移植に伴うリスクと合併症
骨髄は骨内部の海綿状の脂肪組織です。骨髄移植は、機能不全や化学療法・放射線で破壊された骨髄幹細胞を、健康なドナーの幹細胞で置き換える治療です。米国国立医学図書館は、すべての骨髄移植にリスクと合併症が伴うと指摘しています。主なリスクは以下の通りです。
感染症
移植後最初の3か月は、真菌、ウイルス、細菌感染のリスクが高まります。特にサイトメガロウイルス(CMV)は胃腸や肝臓に重篤な感染を起こし、治療が困難で致死的な肺炎を引き起こすことがあります。移植後約1年は免疫力が低下したままで、帯状疱疹や水痘ウイルスの再活性化もよく見られます。
血管閉塞性障害(VOD)
移植時に使用する高用量化学療法が原因で、肝臓や腎臓の小血管が閉塞し、機能障害を起こすことがあります。治療法には輸血、薬物療法、血液検査による経過観察、場合によっては透析が含まれます。
移植片の定着不全
移植後は白血球、赤血球、血小板の数が低下します。ドナーから移植された細胞が血液細胞を産生し始めるべきですが、定着不全が起きると新しい幹細胞が成熟せず、血液成分の回復が遅れます。
移植片対宿主病(GVHD)
移植された幹細胞(移植片)が受容体の体(宿主)を異物と認識し、免疫反応を起こすことで発症します。完全一致するドナーは一卵性双生児に限られるため、ほとんどの場合は部分的な適合となり、T細胞が受容体組織を攻撃します。
予後
骨髄移植の結果は、病気の完全寛解、部分寛解、または死亡のいずれかです。治療が成功すれば回復には最大12か月を要することがあります。合併症や移植失敗が原因で死亡するリスクもあります。
