変性関節炎・骨疾患・椎間板疾患の概要
変性関節疾患
関節炎は関節に損傷を与える疾患で、主に「リウマチ性関節炎」と「変形性関節症(骨関節症)」の二つに大別されます。リウマチ性関節炎は免疫系の異常による炎症が特徴で、関節の滑膜が腫れます。一方、変形性関節症は関節の長年の摩耗が原因で、軟骨と骨が徐々に劣化します。変性関節疾患はこの変形性関節症の別称で、慢性的に関節の軟骨や骨が破壊されていく過程を指します。
変性骨疾患
関節炎が骨端部に影響を与えるのに対し、変性骨疾患は骨全体の強度低下を指すことが多く、代表的なのは「骨粗鬆症」です。骨粗鬆症は骨を構成するミネラルが失われ、骨が脆くなります。進行すると骨折しやすくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
もう一つの例として「パジェット病」があります。骨のリモデリング(再構築)が異常に活性化され、骨が変形しやすく、痛みや骨折、さらには変形性関節症を併発することがあります。主に高齢者に多く見られます。
変性椎間板疾患
変性椎間板疾患(DDD)は実際には疾患というより、加齢に伴う椎間板の劣化状態を指します。椎間板は背骨同士をクッションする役割を持ちますが、年齢とともに水分が失われ、弾力が低下します。30代〜40代の活発な人や、重いものを頻繁に持ち上げる仕事をしている人に多く見られ、腰痛や頚部痛の主な原因となります。
初期は炎症や脊椎の不安定感、筋肉の痙攣により強い痛みが出ますが、時間とともに椎間板は硬くなり安定し、痛みは軽減する傾向があります。
医師の診察が必要な時
変形性関節症や変性椎間板疾患は日常の摩耗が原因です。痛みが日常生活を妨げるほど強くなった場合は、レントゲンやMRI、必要に応じて血液検査を受け、変性疾患か全身性疾患かを鑑別してもらいましょう。
特に女性や家族歴がある場合は、骨粗鬆症のリスクが高まります。骨密度検査を定期的に受けることが推奨されます。
高齢者で夜間に増す腰や股関節の痛み、頭痛・聴覚障害、骨の変形や予期せぬ骨折がある場合は、骨粗鬆症、変形性関節症、パジェット病などを区別するために専門医の診断が必要です。
治療法
変形性関節症や変性椎間板疾患は、適度な運動とバランスの取れた食事による健康的な生活習慣で管理できます。症状が進行している場合は、理学療法士の指導のもとで個別のエクササイズプログラムを組むと効果的です。市販の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で疼痛をコントロールし、症状が重い場合は関節置換術や椎間板置換術が選択肢となります。
パジェット病や骨粗鬆症には、医師の処方する薬物療法が中心です。体重管理、カルシウム・ビタミンDを含む食事、骨に刺激を与える負荷運動(ウォーキングや軽いウェイトトレーニング)を組み合わせます。また、転倒リスクを減らすために自宅の安全対策(段差の解消、滑り止めの設置)も重要です。
