基底親指関節炎の治療法

多くの人は親指の痛みで初めて基底関節の存在を知ります。基底関節は親指の付け根と手首をつなぎ、物をつかむための重要な動きを担っています。外傷が原因で関節が損傷することもありますが、ほとんどは関節端を覆う軟骨がすり減る変形性関節症が原因です。軟骨がなくなると骨同士が直接擦れ合い、関節が損傷し痛みと可動域制限が生じます。

非外科的治療

  • 非外科的治療の目的は、症状を和らげて痛みを最小限に抑え、日常生活を支障なく送れるようにすることです。

    薬物療法:アセトアミノフェンは副作用が少なく関節痛の緩和に有効ですが、長期大量服用は肝障害のリスクがあります。イブプロフェンやナプロキセンなどの市販NSAIDsは炎症と疼痛を抑えますが、胃潰瘍や出血、心血管系の副作用に注意が必要です。ジクロフェナック、ナブメトン、ケトプロフェンなどの処方NSAIDsは効果が高い分、同様に副作用リスクも高まります。

    温熱・冷却療法:温熱は関節をほぐし可動域を広げ、冷却は腫れや炎症を抑えます。交互に行うと効果的です。

    理学療法:ハンドセラピストが指導するエクササイズで、親指の可動域を維持・改善します。

    装具(スプリント):親指や手首を固定し、正しい位置を保つことで痛みを軽減します。市販品や医師が処方するカスタムスプリントがあります。

    ステロイド注射:コルチゾンを関節内に注入し、炎症と疼痛を一時的に抑えます。効果は数週間続くことが多いです。

外科的治療

  • 基底関節の損傷が進行し、非外科的治療で改善しない場合に検討される手術です。

    関節固定(関節癒合):関節の骨を固定して痛みと不安定さを取り除きます。可動性は失われますが、荷重時の痛みは大幅に減少します。

    骨切り術(骨切り):変形した骨を切り取り、正しい位置に再配置して関節のアライメントを改善します。

    トラペジウム切除術(トラペジエクトミー):親指の付け根にある小骨(トラペジウム)を除去し、関節の圧迫を軽減します。

    切除性関節形成術:損傷した関節組織を除去し、手首付近から採取した腱や軟部組織で代替します。術後、腱は強靭で柔軟な瘢痕組織に変化し、擬似関節として機能します。

術後リハビリテーション

  • ほとんどの基底親指手術は日帰りで行われますが、回復には時間がかかります。手術後は通常、6週間ほどスプリントやギプスで親指と手首を固定し、ギプス除去後は最大8週間の理学療法で可動域と筋力を回復させます。完全な回復には6〜12か月を要することがあります。

骨・関節・筋肉 - 関連記事