外反母趾手術と合併症
外反母趾は、足の親指が隣の足指に向かって内側に曲がり、親指の付け根に骨と軟部組織の腫れができる痛みを伴う変形です。先がとがった小さな靴を長時間履くことが主な原因とされています。非外科的治療で改善できない場合、手術(外科的矯正)が選択肢となりますが、リスクも伴います。
手術の手順
外反母趾手術は、主に足の親指の骨の変形部分を除去し、腱や靭帯を修復して関節を正しい位置に戻すことが中心です。多くは外来で行われ、足首ブロック麻酔(足全体をしびれさせるが意識は保たれる)で施術されます。手術時間は約1時間で、術後1〜2時間で帰宅可能です。
手術の種類
- 関節固定術(アンチローデシス):損傷した関節面を除去し、スクリュー・ワイヤー・プレートで固定します。
- 切除関節形成術(レセクション・アルトロプラステ):関節の損傷部位だけを取り除きます。
- 骨突起除去術(エクソステクトミー):関節部の突起(骨のこぶ)を除去します。
- 骨切り術(オステオトミー):骨を切って正しい角度に再配置します。多くの場合、骨切り術と腱・靭帯の修復を併用します。
担当整形外科医が患者さんの状態に最適な手術法を選択します。
合併症
外科的治療の合併症は全体の約10%未満ですが、以下のリスクが報告されています。
- 感染症(追加の抗生物質治療が必要)
- 再発(手術後に再び外反母趾が出現)
- 神経損傷、瘢痕形成、長期的な腫脹や疼痛
- 血栓、関節硬直、指の短縮、過矯正・矯正不足
- 創部の不適切な治癒
術後の期待とリハビリ
手術は痛みを軽減し変形を改善しますが、完治や完全な痛みの消失が保証されるわけではありません。術後は長期間のリハビリが必要で、理学療法や短期間の松葉杖使用が求められます。縫合は約2週間後に除去されますが、足は8週間程度、包帯やブレースで保護します。
手術後に再び狭く尖った靴を履くと、外反母趾が再発する可能性があります。
手術適応(候補者)
以下の症状がある場合、外科的矯正を検討してください。
- 足指の硬直や炎症
- 変形が進行し、日常生活に支障がある場合
- 強い足の痛みが続く場合
- 薬物療法、インソール、靴の変更などの保存的治療で効果が得られない場合
整形外科医と相談し、手術が最適かどうかを判断しましょう。
