うつ病治療に用いられる主な薬剤とその特徴

米国国立精神衛生研究所(NIMH)によると、米国人口の約9.5%がうつ病を抱えていると報告されています。うつ病と診断された場合、症状緩和を目的にさまざまな薬剤が処方されます。本稿では、代表的な抗うつ薬の種類と主な作用機序、代表的な製品例を紹介します。

三環系抗うつ薬(TCAs)

三環系抗うつ薬は、うつ病治療に古くから用いられている薬剤群です。代表的な製品として、ビバクチル(Vivactil)、アダピン(Adapin)、エラビル(Elavil)、ノルプラミン(Norpramin)などがあります。TCAsは脳内のセロトニンとノルエピネフリンという2つの神経伝達物質の再取り込みを阻害し、これらの濃度を上昇させることで気分や感情の調整を助けます。ただし、副作用が比較的多いため、第一選択薬としてはあまり用いられません。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)

SSRIsは現在最も一般的に処方される抗うつ薬です。代表的な薬剤には、ゾロフト(Zoloft)、プロザック(Prozac)、パキシル(Paxil)があります。これらはセロトニンの再取り込みを阻害し、脳内のセロトニン濃度を高めることでうつ症状を軽減します。

モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs)

MAOIsはセロトニンとノルエピネフリンの分解を阻害することで、両物質の濃度を上昇させます。代表的な製品はナルジル(Nardil)、マープラン(Marplan)、パーネート(Parnate)です。TCAsに比べ副作用が少ないため、一定の患者さんに選択されますが、食事制限などの注意が必要です。

セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRIs)

SNRIsはSSRIsと同様にセロトニンの再取り込みを阻害しつつ、ノルエピネフリンの再取り込みも阻害します。これにより両方の神経伝達物質が増加し、気分改善効果が期待されます。代表的な薬剤はシンバルタ(Cymbalta)とエフェクサー(Effexor)です。

ハーブ(植物性療法)

薬物療法に加えて、ハーブを用いた自然療法を選ぶ患者もいます。うつ症状に用いられる代表的なハーブは、イチョウ(ギンコウ葉)、セントジョンズ・ワート、シベリア人参などです。ただし、他の薬剤との相互作用が起こる可能性があるため、使用前に必ず医師に相談してください。

まとめ

うつ病の治療薬は、作用機序や副作用の違いに応じて選択されます。医師と相談し、自身の症状や生活スタイルに合った薬剤を選ぶことが重要です。

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