非定型うつ病に対するHPA系治療と主要抗うつ薬の解説

非定型うつ病とは

非定型うつ病は、うつ病の中で最も頻度が高いタイプです。DSM‑IVの診断基準では、過食や過眠、体が重く感じる、対人関係で拒絶感を抱くといった症状が認められます。大うつ病性障害(MDD)のサブタイプであり、2週間以上続く重度のうつエピソードを伴うことがありますが、幸福な出来事に対して喜びや期待を感じやすい点が特徴です。

HPA系(視床下部‑下垂体‑副腎系)とは

HPA系は脳内の内分泌ネットワークで、ストレスに対する恒常性(ホメオスタシス)を維持します。うつ病患者の多くは脳内の化学バランスが乱れており、HPA系を調整することで神経伝達物質の安定化を図り、症状改善を目指します。

MAOI(モノアミン酸化酵素阻害薬)

MAOIは最初期に開発された抗うつ薬の一群で、効果は高いものの、他の薬剤や特定の食品との致死的な相互作用リスクがあるため、通常は最後の手段として使用されます。非定型うつ病に対しては特に有効とされ、Neuralex、Drazine、Cantor、Deprenyl などが代表的な薬剤です。

三環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬は、現在は新しい薬剤に置き換えられ使用頻度は低下していますが、重度うつ病の治療にまだ用いられます。代表的な薬剤として Elavil、Vivactil、Insidon、Prondol などがあります。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

SSRIは21世紀初頭に最も広く使用された抗うつ薬です。セロトニンは「幸福ホルモン」と呼ばれ、気分を高揚させる役割があります。SSRIはセロトニンの再取り込みを阻害し、脳内濃度を上昇させてうつ症状を抑えます。さらに、ドーパミンやノルエピネフリンの再取り込みも抑えるサブタイプがあります。代表的な薬剤は Paxil、Zoloft、Prozac、Lexapro です。

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