うつ病と不安障害の治療法

うつ病や不安障害は、ストレスの多い生活出来事に対する一般的で自然な感情反応です。しかし、症状が頻繁に現れたり、強度が高くなり、米国精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)』の基準に該当すると、専門的な医療と治療が必要な深刻なメンタルヘルス問題とみなされます。

うつ病の薬物療法

抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンなど)のバランスを整えることを目的とした処方薬です。代表的な薬は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)で、シタロプラム(セレクサ)、フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)などがあります。その他、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬などもあり、患者の反応に合わせて選択されます。

うつ病の心理療法

主に認知行動療法(CBT)と対人関係療法(IPT)の二つが用いられます。CBTは、否定的な思考パターンや行動を修正し、うつ状態の維持を防ぎます。IPTは、うつ病を悪化させる人間関係の問題に焦点を当て、対処法を学びます。治療期間は症状の重さにより異なり、重症例では薬物療法と併用して長期にわたることがあります。

電気けいれん療法(ECT)

薬物療法や心理療法で効果が得られない場合、ECT(電気けいれん療法)が選択肢となります。全身麻酔下で短時間の電流を脳に流すことで、うつ症状を速やかに改善します。近年は安全性が高まり、精神的副作用も少ないと評価されています。治療は数回から数十回まで、週1回または月1回の頻度で行われます。

不安障害の薬物療法

不安障害にも抗うつ薬(SSRI、SNRI、MAOI、三環系)が有効で、投与開始から約1か月で症状が軽減します。その他、ベンゾジアゼピン系薬は短期間の使用に限られ、依存リスクがあります。β遮断薬は心拍数増加や手の震えといった身体的な不安症状を抑えるのに用いられます。

不安障害の心理療法

認知行動療法が中心で、恐怖や不安を引き起こす思考を検証し、より現実的で適応的な考え方に置き換えます。また、恐怖に対する行動パターンも修正し、実際の状況に対処できるようにします。薬物療法と組み合わせることで、効果が高まります。

運動療法

定期的な身体活動は、うつ病・不安障害の症状緩和に有効です。週3〜5回、1回30分以上の有酸素運動はエンドルフィンの分泌を促し、気分を改善します。運動は薬物や心理療法と併用することで、総合的な治療効果が期待できます。

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