うつ病と心理学:症状と主要理論の解説
症状
DSM-IV における大うつ病性障害の診断基準は 9 つの主要症状のうち 5 つ以上が日常生活に支障をきたすことです。代表的な症状は極度の倦怠感、趣味への興味喪失、自己否定や不合理な罪悪感、不安です。死や自殺に関する否定的な思考が現れ、診断された患者の 10〜15%が自殺に至ります。
心理力動的理論
心理力動論では、意識と無意識の二層構造を前提とします。無意識に抑圧された過去の出来事や葛藤が、現在の行動や感情に影響を与えるとされます。うつ病患者は、無意識に残る怒りが自己嫌悪へと変容し、否定的な行動と結果を引き起こすと考えられています。
行動的アプローチ
行動主義は、社会的行動は学習されたものであり、生得的ではないと主張します。環境やスキル不足がうつの原因とみなされ、ポジティブな行動に対する強化が不足すると、否定的な認知が固定化されます。たとえ「注目」という形のネガティブなフィードバックであっても、過度に受け取ると症状が維持されることがあります。
認知理論
認知心理学は、うつ病は歪んだ思考様式から生じると説明します。誤った情報処理が否定的な判断や感情を増幅させ、問題解決スキルの欠如がさらに悪循環を招きます。アーロン・ベックは、うつ病患者の認知は次の三つの核心的テーマに集約されると提唱しました。
- 「自分は不十分・欠陥がある」
- 「すべての経験は失敗に終わる」
- 「未来に希望がない」
心身免疫学(Psychoneuroimmunology)
心身免疫学は、心・身体・免疫系の相互作用を研究します。慢性的なストレスが免疫機能を低下させ、ドーパミンやセロトニンといった気分調節神経伝達物質の生成を阻害する可能性があります。研究では、ストレス耐性が低下すると白血球数が増加することが示唆されています。
