糖尿病性自律神経障害が引き起こす胃排出遅延(胃麻痺)の概要

自律神経障害は、糖尿病に伴う高血糖が原因で臓器へ走る神経が損傷する状態です。特に消化器官に影響が及ぶと、胃の排出が遅れる「胃排出遅延(胃麻痺、ガストロパレシス)」を引き起こすことがあります。

診断と原因

胃排出遅延は、胃の内容物が腸へ移動する速度が遅くなる状態で、主に迷走神経の損傷が原因です。

症状

  • 腹部の膨満感
  • 少量の食事で満腹感を感じる
  • 吐き気、胸焼け、上部腹部の痛み
  • 胃の痙攣や食欲不振
  • 食後数時間後に未消化の食物を嘔吐
  • 血糖値の急激な上下変動

経過

症状は徐々に進行し、迷走神経の損傷が深まるにつれて悪化します。

リスク

  • 腸からの栄養吸収が低下し、ビタミンやミネラルの欠乏、体重減少のリスクが高まります。
  • 血糖コントロールが困難になり、失明や心疾患など糖尿病合併症のリスクが増大します。

治療法

  • 少量頻回の食事や低脂肪・低繊維の食事指導など、食事療法
  • メトクロプラミド、エリスロマイシン、ドンペリドンなどの胃排出促進薬の処方
  • 重症例では、経鼻胃管や経静脈栄養による栄養補給が必要になることがあります。

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