2型糖尿病における急性疾患の影響と対策
糖尿病患者にとって急性疾患は命に関わることがあります。インフルエンザや風邪、尿路感染症などの一般的な急性疾患は、血糖コントロールや免疫機能に影響を与え、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
急性合併症の概要
急性疾患が起こると、血糖値が極端に上昇する(高血糖)か、逆に低下する(低血糖)ことがあります。高血糖はインスリン不足やインスリン抵抗性が原因で、低血糖はインスリンや血糖降下薬の過剰投与が原因です。糖尿病患者は免疫力が低下しているため、インフルエンザや尿路感染症などの急性疾患が血糖コントロールを乱し、高浸透圧症候群や糖尿病性ケトアシドーシスといった命に関わる合併症を招くリスクが高まります。
高浸透圧症候群(Hyperosmolar Syndrome)
肺炎などの感染症が引き金となり、特に高齢の2型糖尿病患者で頻発します。血糖が600 mg/dL以上に上昇し、重度の脱水を伴うため、迅速な治療が必要です。主な症状は以下の通りです。
- 血糖の急上昇
- 口渇・多飲
- 発汗のない温かい皮膚
- 眠気や意識障害
- 視力低下や片側の身体の脱力
診断では血糖600 mg/dL以上、血中窒素やクレアチニンで腎機能、ヘマトクリットで体液量やカリウム濃度を評価します。
糖尿病性ケトアシドーシス(Diabetic Ketoacidosis)
インスリンが不足すると、体は脂肪をエネルギー源として利用し、ケトン体が蓄積して血液が酸性に傾きます。感染症がインスリン欠乏を促進し、重度の脱水を伴うことが多いです。主な症状は以下です。
- 呼吸が早く深くなる(クスマウル呼吸)
- 頻尿・脱水
- 嘔吐・食欲不振
- 過度の口渇
- 意識混濁や錯乱
治療には点滴による水分補正とインスリン投与、必要に応じて抗生物質が行われます。
インフルエンザの影響
糖尿病患者はインフルエンザにかかりやすく、合併症による死亡リスクが約3倍に増大します。血糖が60 mg/dL未満または300 mg/dL以上になると危険です。以下の状況が現れたら速やかに医療機関を受診してください。
- 食事が6時間以上摂れない
- 呼吸困難や激しい下痢
- 体重が5ポンド(約2.3 kg)以上減少
- 体温が101°F(約38.3°C)以上
- 強い眠気や混乱
毎年10〜11月にインフルエンザワクチンを接種し、感染予防に努めましょう。
急性疾患の予防策
血糖を目標範囲内に保つことが最も重要です。具体的には、1日約1,600kcalのバランスの取れた食事(医師の指示がある場合はそれに従う)と定期的な運動を心がけます。また、定期的な診察、眼科・足病医の受診も忘れずに。
- 毎年インフルエンザワクチンを接種
- 血圧と体重を適正に管理
- 外出先から帰宅後はこまめに手洗い
