インスリン投与法の種類と特徴
インスリンは膵臓で自然に産生されるホルモンで、血中のブドウ糖を細胞が取り込むために不可欠です。糖尿病患者の血糖コントロールに用いられ、1922年に初めて使用され、1939年に医薬品として承認されました。現在は牛・豚の膵臓から抽出したものと、1982年に承認されたヒト組換えインスリンが利用されています。インスリンが不足すると、糖尿病の死亡率や合併症が増加します。
インスリン投与の主な用途
- 1型糖尿病患者はインスリンを全く産生できないため、外部からの投与が必須です。
- 2型糖尿病患者は膵臓のインスリン分泌量に応じて投与量を調整します。
- 一部の疾患や体重管理、皮膚の老化防止などでも使用されますが、血糖の過度な低下リスクがあるため注意が必要です。
1日1回投与(Once Daily Dosing)
インスリンを1日1回、朝または夜に投与します。血糖値のピークに合わせて投与時間を決め、毎日同じ時間に行うことが重要です。朝の血糖が高い場合は夜間投与、日中に高い場合は朝投与が選択されます。
スライディングスケール投与(Sliding Scale Dosing)
食事前の血糖値に応じて投与量を変える方法です。医師が設定した血糖範囲ごとのインスリン量表に基づき、患者は測定結果に合わせて適切な量を自己投与します。血糖が正常範囲内であれば投与は不要です。
インスリンポンプ投与(Insulin Pump Dosing)
ポンプ装置を体に装着し、24時間にわたって継続的にインスリンを供給します。血糖の変動に応じて自動的に投与量が調整され、朝の高血糖時には一時的に高用量が届けられるなど、細かな管理が可能です。
ベーシル・ボリュス投与(Basal‑Bolus Dosing)
基礎インスリン(ベーシル)と食事時インスリン(ボリュス)を組み合わせ、肝臓からのブドウ糖産生と食事からの糖質摂取を個別にコントロールします。食事の炭水化物量に合わせてボリュス量を調整し、食後の血糖上昇を最小限に抑えます。
体重による投与(Daily Dosing By Body Weight)
インスリン未使用の患者に対し、体重(kg)あたりの単位で1日の投与量を設定します。体重に比例した一定量を24時間にわたって投与し、炭水化物量や過去の血糖値に左右されない基礎的な管理法です。
