インスリン抵抗性のサインと症状
インスリン抵抗性とは、肝臓・脂肪組織・筋肉細胞がインスリンに対して十分に反応しなくなる状態を指します。インスリンは膵臓で分泌され、血糖値を調整するホルモンです。食事で摂取した糖質は血液中に入りますが、全ての細胞が糖を取り込んでエネルギーに変える必要があります。血糖が高すぎると糖尿病、低すぎると低血糖となります。インスリン抵抗性は、血糖とインスリンへの体の応答機構が崩れつつあることを示すサインの一つで、時には自覚症状が現れ、時には無症状のままです。診断は医師の血液検査と診察が必要です。
意義(Metabolic Syndrome の一部)
インスリン抵抗性は、メタボリックシンドローム(代謝性疾患群)の構成要素のひとつです。メタボリックシンドロームは、インスリン抵抗性、肥満(特に腹部肥満)、高血圧、炭水化物負荷に対する耐性低下、場合によっては高トリグリセリド血症を含みます。これらが揃うと、医師は2型糖尿病や成人発症糖尿病のリスクが高まっていると判断します。
症状
食後に眠気を感じる(特に炭水化物30%以上の食事)
甘いお菓子や高炭水化物食後に急激な空腹感やイライラが起きる
血中トリグリセリドやコレステロールが高い
肥満、特に腹部に脂肪が蓄積しやすい
首や脇の皮膚に暗色の斑点(アカント症)が現れることがある
誤解
インスリン抵抗性は糖尿病そのものではありませんが、血糖とインスリンへの反応が正常でないことを示す警告サインです。インスリン抵抗性と糖尿病が同時に診断されることもありますが、両者は別の概念です。症状がほとんどなくても血液検査でインスリン抵抗性が判明することがあります。一方、糖尿病は症状が軽微でも検査で診断されます。
注意点
インスリン抵抗性のサインは、心臓疾患や他の代謝性疾患と重なることがあります。疲労感、気分の変動、皮膚の暗斑、空腹感などは、さまざまな疾患で共通です。確実な診断は医師に委ね、疑いがある場合は必ず受診してください。
予防・対策
生活習慣の改善によりインスリン抵抗性は多くの場合改善できます。低脂肪・低炭水化物中心の食事、適度な有酸素運動、体重管理は有効な対策です。個人差はありますが、これらの取り組みで症状が軽減するケースが多数報告されています。
