定義

造影剤性腎障害(Contrast‑induced nephropathy)は、検査前の基準値に対して血清クレアチニンが25%以上上昇した状態を指します。クレアチニンが上昇すると腎機能が低下していることを示します。

リスク要因

心臓カテーテル検査後に腎不全が起こりやすいリスク要因は以下の通りです。

  • 変更できない要因:高齢、糖尿病、既存の腎不全、腎移植歴
  • 変更可能な要因:貧血、脱水、腎臓に影響を与える薬剤の使用

治療

造影剤性腎障害が発生した場合、腎機能が回復するまでの支持療法が行われます。ごく一部の患者は血液透析が必要になることがありますが、多くは自然回復します。

予防・対策

検査前にリスク要因を最小限に抑えることが予防の鍵です。最も広く採用されている方法は、検査前後の点滴による生理食塩水での十分な水分補給です。さらに、経口N‑アセチルシステイン(商品名:ムコミスト)や重炭酸塩の投与も有望な結果が報告されています(Cleveland Clinic Journal of Medicine)。

実践的な適用

カテーテル検査を実施する前に、リスクとベネフィットを慎重に評価することで、造影剤性腎障害の発生を予防できます。