夜間チューブ栄養のリスクと注意点

医師は、在宅でも入院でも、さまざまな患者に対して夜間のチューブ栄養を処方することがあります。脳卒中後やがん、食欲低下を伴う疾患の成人、代謝障害を持つ子ども、認知症の高齢者などが対象です。夜間のチューブ栄養は基本的に安全ですが、いくつかのリスクが伴います。これらを理解しておくことで、患者本人や家族が適切な医療判断を下す助けになります。

低血糖

  • 栄養液の供給が途中で止まると、特に血糖値を維持するために栄養補給を受けている患者で低血糖が起こりやすくなります。低血糖は発汗、震え、吐き気、集中力低下、倦怠感、言語障害などの症状を引き起こします。一部の栄養装置にはトラブルを知らせるアラームが搭載されており、供給中断による低血糖リスクを低減できます。

誤嚥(ごえん)

  • 夜間にチューブで液体を投与する際、受給者が液体を逆流させると再度飲み込めず、気道に入ってしまう危険があります。液体が気管支や肺に入ると呼吸困難、窒息、最悪の場合は死亡に至ります。自宅でのチューブ栄養は、介護者がすぐに異変に気付けるよう、同じ寝室で行うなど環境を整えることが重要です。

寿命の短縮

  • 英国医学ジャーナルによれば、進行した認知症患者に対するチューブ栄養は寿命を延ばすことはほとんどなく、むしろ短くなるケースも報告されています。チューブの存在がストレス要因となり、拘束具を使用する場合はさらに患者の不安や抵抗が増大し、全身状態の悪化を招くことがあります。高齢者はエネルギー必要量が低いため、極端な飢餓状態でない限り、夜間のチューブ栄養は避けるべきです。

安全上の問題

  • 操作ミスはチューブ栄養のリスクを高めます。小児期疾患誌に掲載された研究では、在宅でのチューブ栄養は衛生管理の不備、十分なチューブ洗浄が行われないことによる詰まり、誤った体位による逆流や供給中断など、感染や合併症のリスクが高いことが指摘されています。専門の医療従事者が行う場合でも同様のリスクは存在しますが、非専門家の介護者が行う場合は特に注意が必要です。

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