憩室性腸疾患(憩室症)
憩室症は、大腸の壁の粘膜に小さな袋(憩室)ができる状態です。多くは結腸に発生し、60歳以上の男女に多く見られ、30歳未満ではまれです。
原因
- 明確な原因は不明ですが、結腸内圧の上昇が関与すると考えられます。食物繊維が不足すると便が腸内に長く滞留し、圧が高まります。また、排便時のいきみも圧力を上げ、壁の弱点が憩室形成につながります。
症状
- 多くの患者は無症状です。症状が出る場合は、左下腹部の軽い不快感、膨満感、痙攣などです。憩室が炎症を起こす憩室炎になると、左下腹部の激しい痛み、発熱、悪心、排尿時の灼熱感、寒気などが現れます。
診断
- バリウム注腸検査や大腸内視鏡検査で診断します。バリウム注腸では造影剤で大腸壁を映し出し、憩室やポリープを確認できます。内視鏡では細い柔軟なチューブにカメラを付け、直腸から大腸全体を観察し、異常部位を直接見ることができます。
合併症
- 憩室炎に進行すると、炎症や感染、出血、膿瘍形成のリスクがあります。重症例では入院し、抗生物質治療が必要です。炎症を起こしやすい種子類(ナッツ、ポップコーン、イチゴなど)は避けるよう指導されます。
予防・対策
- 高繊維食と十分な水分摂取が基本です。全粒穀物、野菜、果物を中心に食べ、必要に応じてメタミューシルなどの繊維サプリを利用します。便秘を防ぐことで新たな憩室形成のリスクを低減できます。
