プロトンポンプ阻害薬の副作用と注意点
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸の分泌を抑える薬で、胃食道逆流症(GERD)や潰瘍、NSAIDによる胃障害の症状緩和に用いられます。短期間の使用が推奨されますが、長期使用に伴う副作用が問題となっています。
種類
- エソメプラゾール(商品名:ネキシウム)
- ランソプラゾール(プレバシッド)
- オメプラゾール(プリロセック)
- パンテプラゾール(プロトニックス)
- ラベプラゾール(アシペックス)
これらはすべて処方薬ですが、プリロセックは2004年、プレバシッドは2009年に市販薬としても承認されました。
軽度の副作用
- 便秘や下痢、吐き気、胃痛、口渇、頭痛などが約5%の患者で報告されています。
- 稀に関節や筋肉の痛みも生じます。
- 市販のプリロセックの添付文書にはこれらの副作用が記載されていないため、症状を他の薬で誤治療する危険があります。
治療期間の目安
一般的にPPIは4〜8週間の短期療法を想定していますが、医師が継続処方するケースも多くあります。低用量の市販薬が利用できるため、数年にわたって使用し続ける人も少なくありません。
高齢者への懸念
- 1年以上の使用は50歳以上で股関節骨折リスクを44%増加させるという報告があります(JAMA 2006)。
- PPIはビタミンB12の吸収を低下させ、既に吸収能が低下している高齢者ではさらに欠乏リスクが高まります。
- 血小板阻害薬プラビックス(クロピドグレル)を服用中の心筋梗塞患者がPPIを併用すると、再発リスクが上昇する可能性があります。
細菌増殖のリスク
胃酸が低下すると、クロストリジウム属などの腸内細菌が増殖しやすくなり、下痢や偽膜性大腸炎を引き起こすリスクが高まります。特に75歳以上の患者で感染性下痢の主要因とされています。
