アスカリス(回虫)について
基本情報
メスの回虫(アスカリス)は体長約40cm、体重約9gに達し、オスは約30cmです。色は白色で、メスは1日に最大20万個の卵を産みます。卵は腸内で排泄され、糞便を介して環境中に放出されます。人は口から卵を摂取し、腸内で孵化した幼虫は血流で肺へ移動し、咳で喉へ上がり再び飲み込まれて小腸に定着します。小腸で成虫となり、栄養を吸収しながら繁殖し、さらなる卵を排出します。
健康への影響
回虫感染は多様な健康障害を引き起こしますが、初期は自覚症状がないことが多いです。重症化すると、認知機能低下、肉芽腫、腸閉塞、直腸脱などを生じ、放置すれば命に関わります。これらの症状は他の疾患とも重なるため、正確な診断が重要です。
呼吸器症状
幼虫が肺に移動する過程で、乾いた咳、息切れ、喘鳴、発熱などが現れます。大量の幼虫が肺に集まると肺炎を起こすこともあります。これらは摂取後4〜16日で出現し、喘息や肺気腫と似た症状を示すため、早期の医療受診が必要です。
消化器症状
卵を摂取してから6〜8週間で、腹痛、吐き気、嘔吐、口や肛門からの虫の排出などが見られます。治療しないと黄疸や消耗性疾患、特に乳幼児では発達障害や死亡に至ることがあります。
治療と予防
予防が最も重要です。糞便に触れる際は必ず手を洗い、適切に処理し、作業時は手袋を着用してください。感染が疑われる場合は速やかに医師に相談し、適切な薬剤で治療します。幼虫期には吸入薬が有効で、成虫期にはベンジミダゾール系駆虫薬が標準的です。腸閉塞が起きた場合は点滴、経鼻胃管吸引、外科手術などの対処が必要です。
