腹痛の種類
胸部から鼠径部にかけての臓器から発生する痛みは「腹痛」と呼ばれます。ウイルス感染や連鎖球菌性喉頭炎などが腹部に痛みを引き起こすこともあります。便秘のように自宅で対処できるものもあれば、虫垂炎のように緊急の治療が必要なものもあります。本稿では腹痛の主な原因と診断のポイントをまとめました。
腹痛の診断
医師は痛みが出た時期や場所、性質を詳しく聞き取ります。突然の腹痛はヘルニアや卵巣破裂を示すことがあります。痛みは「痙攣様」「鋭い」「鈍い」「刺すよう」などで表現し、持続時間や悪化・緩和要因(食事や動作)も重要です。また、嘔吐・発熱・下痢・直腸出血などの併発症状があるかどうかも確認します。
虫垂炎
虫垂炎は最も一般的な急性腹痛の原因で、盲腸が炎症と細菌感染を起こします。盲腸は約3〜4インチ(7〜10cm)の細長い管です。糞便や異物で閉塞すると、へその周辺に軽い痛みが出始め、次第に右下腹部・右臀部へ放散します。動くと痛みが増すため、速やかに救急外来での治療が必要です。
月経痛
月経時の子宮収縮が強くなることで起こる痛みです。鋭い、鈍い、鈍重いといった感覚が下骨盤に現れ、背中や脚に放散します。月経前後2〜4週間に出ることがあります。症状は人により差が大きく、重度の場合はイボプロフェンなどの鎮痛剤で緩和できます。
便秘
便秘は他の消化器疾患のサインであることが多く、結腸が便から過剰に水分を吸収することで硬く乾いた便ができ、排便が困難になります。腹部の圧迫感、膨満感、鈍い痛みが主な症状です。食物繊維不足や脂肪・乳製品の過剰摂取、運動不足が原因です。水分と食物繊維を増やすことで改善できます。
過敏性腸症候群(IBS)
腸の運動機能が乱れ、結腸が痙攣して正常に働かなくなる状態です。下腹部に鈍く鈍重い痛みが出ることが多く、便秘と下痢が交互に現れます。乳製品、カフェイン、麦芽などの特定の食品が誘因になることがあります。食事管理、適度な運動、ストレス回避が治療の基本です。
胆石
胆石はコレステロールや塩類、カルシウムの結晶からでき、胆嚢や胆管に詰まります。石が胆管を塞ぐと激しい上部右腹部の痛みが走り、右肩甲骨まで放散します。痛みの強さから心筋梗塞と誤認されることもあります。再発する場合は胆嚢摘出術が推奨されます。
