食道炎診断ステップバイステップ臨床ガイド

食道炎診断ステップバイステップ臨床ガイド

食道炎とは食道の炎症全般を指し、最も一般的には胃食道逆流症(GERD)が原因です。感染症、特定の薬剤、放射線治療、全身性疾患、外傷でも発症します。免疫抑制状態の患者では感染性食道炎(特に真菌)が多く、弁症や全身性硬化症などの構造的疾患は二次的炎症を誘発しやすいです。正確な診断は適切な治療と出血や狭窄といった合併症の予防に不可欠です。

臨床評価の手順

  1. 症状評価
    典型的な症状として、嚥下痛(飲み込み時の痛み)、嚥下障害(飲み込みにくさ)を確認し、重症例では体重減少や栄養不良が見られます。稀に大量出血(吐血)が進行した病変を示すことがあります。
  2. 詳細な既往歴
    最近の抗生物質やステロイドの使用、免疫抑制療法、全身性疾患(例:HIV、結合組織疾患)を記録します。これらは感染性または薬剤性食道炎の可能性を高めます。
  3. 身体診察
    上腹部圧痛、胸骨後部痛、吐き気、吐血の有無を評価します。重度の炎症が疑われる場合は、腹部の詳細な診察が必要です。
  4. 検査
    基礎検査として全血球計算(CBC)を行い、免疫抑制患者ではCD4数で免疫状態を評価します。既往歴に応じてHIV血清抗体や肝炎パネル等の追加検査が必要になることがあります。
  5. 画像検査:バリウム造影
    嚥下障害があるが重度でない場合、バリウム食道造影で狭窄、潰瘍、運動障害を確認でき、初期の非侵襲的検査として有用です。
  6. 上部内視鏡検査(EGD)
    食道炎診断のゴールドスタンダードです。内視鏡により粘膜紅斑、びらん、潰瘍、狭窄を直接観察し、組織採取が可能です。疼痛が強い、吐血がある、またはバリウム造影で診断が不確かな場合に選択されます。

詳細なガイドラインについては、Mayo ClinicAmerican College of Gastroenterologyの情報をご参照ください。

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