鉄の消化と吸収のメカニズム
1. 鉄の還元
胃酸(塩酸)とビタミンC(アスコルビン酸)の作用で、食事中の三価鉄(Fe³⁺)が二価鉄(Fe²⁺)に還元されます。この還元が吸収の第一段階です。
2. 胃タンパク質への結合
還元された二価鉄はトランスフェリンやラクトフェリンなどの胃タンパク質と結合し、酸化を防ぎつつ小腸へ運ばれます。
3. 小腸(十二指腸)への輸送
胃内容物は十二指腸へ送られ、鉄‑タンパク質複合体が腸腔に到達します。
4. Brush border での吸収
十二指腸の腸上皮細胞表面にある二価金属輸送体1(DMT1)が二価鉄を細胞内へ取り込みます。
5. 細胞内での貯蔵と輸送
取り込まれた鉄はフェリチンに蓄えられ、体内の鉄貯蔵が不足するとフェリチンから放出されます。
6. 血流への放出
フェロポートンが基底側膜に位置し、二価鉄を血液中へ輸出します。
7. 酸化とトランスフェリン結合
血中で二価鉄はセレブロプラスミンの触媒で三価鉄に酸化され、トランスフェリンに結合して全身へ運搬されます。
この一連の過程はヘプシジンなどのホルモンで厳密に調整され、鉄欠乏や過剰を防ぎます。
