テキスタイルとパーキンソン病――TCEがもたらすリスク

パーキンソン病は、手足の激しい振戦や硬直を特徴とする進行性の神経変性疾患です。遺伝的要因が感受性を高める一方で、環境要因も重要な役割を果たします。近年の研究で、かつて乾燥クリーニングや繊維加工に使用された工業用溶剤「トリクロロエチレン(TCE)」がパーキンソン病の発症と関連していることが明らかになっています。

なぜTCEはリスクなのか

パーキンソン病は、ドーパミンを分泌する脳神経細胞の死滅が原因です。動物実験では、TCEがこれらの神経細胞を直接死滅させることが示されています。また、TCEに曝露した作業者が後にパーキンソン病を発症した事例が報告されており、一卵性・二卵性双子を対象とした研究でも、TCEに触れた双子は非曝露の兄弟に比べて病気になる確率が著しく高いことが確認されています。

TCEはどこにあるのか

TCEは金属部品の脱脂、乾燥クリーニング、繊維加工に過去に広く使用されました。さらに、塗料、修正液、ラッカー、シミ抜き剤などの家庭用品にも含まれています。水道水や地下水に混入するケースも報告されており、健康リスクへの認識が高まったため、使用は段階的に廃止されつつあります。

誰がリスクにさらされるか

特にリスクが高いのは、乾燥クリーニング業者、機械工、整備士、電気技師など、TCEを扱う可能性のある職業に従事している男性です。職場での適切な防護対策が求められます。

以上のように、TCEは過去の産業活動を通じて広く環境中に拡散し、パーキンソン病の発症リスクを高めることが示されています。安全な作業環境の確保と、汚染された水源の管理が重要です。

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