アスカリス・ランブリコイデス(回虫)について
ライフサイクル
アスカリス・ランブリコイデスの卵は人糞が混入した土壌に存在し、汚染された手や水、食べ物を介して口に入ることで感染します。卵が体内で孵化し、幼虫は腸壁を貫通して血流に入り、肺へと運ばれます。肺で咳や呼吸により気道へ上昇し、再び飲み込まれると腸内で成虫に成長し、環境へ新たな卵を排出します。
症状
幼虫が体内を移動する段階では発熱や呼吸器症状(咳、息切れ、血痰)を呈します。成虫が腸内に定着すると、腹痛、嘔吐、腸閉塞などの消化器症状が現れます。成虫は13〜35センチメートルに達するため、特に小児では成長障害や腸閉塞のリスクが高まります。
診断と治療
診断は便検査で卵や幼虫、成虫を顕微鏡で確認する方法が一般的です。必要に応じて腹部X線や内視鏡検査が行われます。治療はアルベンダゾールまたはメベンダゾールなどの駆虫薬を1〜3日間投与し、効果を確認するために再度便検査を行います。
合併症
幼虫が肺以外の臓器(皮膚、脳、眼)へ移動すると、局所的な炎症や障害を引き起こすことがあります。大量の成虫は腸や胆道の閉塞を招き、内視鏡や手術が必要になることもあります。慢性的な感染や再感染は喘息様アレルギーを誘発し、子供は栄養不良、貧血、学習障害を起こしやすくなります。
予防・対策
衛生管理と適切な下水処理が最も効果的です。土壌に付着した卵が手や食品に付かないよう、手洗いと食材の十分な洗浄を徹底してください。特に下水で肥料をした土壌を使用する場合は注意が必要です。幼児が手口に触れる機会が多い環境では、定期的な駆虫薬投与が推奨されます。
