前立腺がんの陽子線治療

治療の仕組み

陽子線治療は、サイクロトロンやシンクロトロンと呼ばれる装置で陽子を加速し、前立腺の腫瘍部位に照射します。磁石で陽子ビームを体内で誘導し、腫瘍にエネルギーを集中させるため、周囲の正常組織への影響は極めて少なく、副作用も最小限に抑えられます。そのため、腫瘍に対して高線量の陽子を安全に投与できます。

陽子線治療は外来で行われ、通常5〜7週間にわたって実施されます。治療回数は患者さんの病状やがんのステージに応じて決まります。実際の照射は1分程度で、前後の準備時間を合わせても15〜20分です。治療中は患者さん専用の固定装置を装着し、治療前にX線画像で腫瘍の位置を確認して正確に照射します。この位置合わせは各治療毎に行われます。

副作用

陽子線治療は痛みを伴わない手技で、通常は不快感を感じません。ただし、化学療法と併用する場合は副作用が強くなることがあります。副作用はほとんどが一時的で軽度です。広範囲を照射する場合は、やや強い副作用が出ることがあります。

副作用は早期と晩期に分けられます。早期副作用は治療直後に現れ、数週間で自然に改善します。主な症状は、治療部位の脱毛、疼痛、腫脹、食事・消化・排尿・嚥下の困難、照射直後の頭痛などです。

晩期副作用は稀ですが、数か月から数年後に現れることがあります。脳、脊髄、肺、関節、腎臓、大腸・直腸などへの影響や、不妊、リンパ浮腫、二次がんのリスクがあります。早期・晩期いずれの副作用も気になる場合は、速やかに医師に相談してください。

疾病 - 関連記事