ビラルジア(住血吸虫症)の治療法
疾患の性質
ビラルジアは1851年にテオドール・ビラルツ博士が初めて報告した寄生虫病です。淡水に生息する螺(ビルヌス・ビオラリアやオンコメラニア属)が寄生虫の中間宿主となり、感染した人間の皮膚を通じて幼虫が侵入します。数週間で幼虫は血管内で成虫へ成長し、卵を産みます。卵は膀胱や腸に留まることがあり、尿や糞とともに排出され、再び螺の体内で孵化して感染サイクルが続きます。
感染経路
感染は、ビラルジアを宿す螺が生息する淡水での足踏み、泳ぎ、洗濯、入浴などが原因です。人から人への直接感染は起こりません。
主な症状
初期段階では症状が現れないことが多いですが、数日後に皮膚の発疹やかゆみが出ることがあります。1〜2か月後には咳、発熱、寒気、腹痛、下痢などが現れ、卵が肝臓、肺、腸、膀胱に付着して障害を引き起こします。慢性期には倦怠感、貧血、栄養不良、肝脾腫、脳の病変、結腸ポリープ、膀胱がん、肺性高血圧などの合併症が見られます。
感染予防
ビラルジアはアフリカ、南米、東南アジア、中東、カリブ海地域に分布しています。特にリフトバレーやエジプトのナイル川流域の湖沼は感染リスクが高いです。淡水で泳いだり入浴した後は、皮膚をしっかり乾かすことが重要です。また、現地の水は必ず沸騰させてから飲用してください。
診断と治療
尿や便中に寄生虫卵が検出されればビラルジアと診断されます。1980年以降、プラジカンテルが第一選択薬として広く使用されており、2日間の服用で効果が確認されています。近年、寄生虫のゲノム解読が進み、将来的に低コストの新薬開発が期待されています。予防接種は現在利用できませんので、旅行者は熱帯医学や感染症の専門医に相談してください。
