耳硬化症に伴う耳鳴りの治療法
耳硬化症とは
耳硬化症は、内耳の骨壁に異常な骨が微量に増殖する疾患です。この骨が耳小骨の一つである槌骨(つちぼね)を固定し、音が内耳液に伝わりにくくなるため、難聴とともに耳鳴り(ティンパニー)が生じます。症状は、ささやき声や低音が聞こえにくくなること、めまいやバランス障害を伴うこともあります。耳鳴りは、鳴りだけでなく、ブンブン、ゴロゴロ、シューという音として感じられることがあります。
軽度・中等度の症状の治療
症状が軽い場合、まずは経過観察が選択されます。定期的に聴力検査を行い、進行度を確認します。必要に応じて補聴器を装着し、音の入力量を増やすことも推奨されます。
また、フッ化ナトリウム(例:モノカル、フロリカル)を含む市販のサプリメントを用いる治療法があります。これは、骨の硬化を遅らせ、槌骨が完全に固定される前に骨を強くすることを目的としています。効果には賛否がありますが、関節痛、胃部不快感、かゆみを伴うアレルギー反応などの副作用が報告されています。使用期間は症状や医師の判断により2年以上続くことがあります。
重度の症状の治療
症状が重い場合は、スタペデクトミー(槌骨除去術)が検討されます。手術では、固定された槌骨を取り除き、人工のプロスタスデス装置で代替します。これにより補聴器が不要になるほどの聴力改善が期待でき、耳鳴りが軽減することもあります。
スタペデクトミーは繊細な手術で、隣接する砧骨(かなむぎ)への損傷や人工槌骨の位置ずれなどの合併症リスクがあります。また、手術後に症状が改善しない、あるいは悪化するケースもあるため、術前に医師とリスクとベネフィットを十分に相談することが重要です。
