タバコが耳に与える影響
タバコは口や肺、心臓など多くの臓器に悪影響を及ぼすことが知られていますが、耳にも深刻な影響を及ぼします。喫煙は中耳の機能を乱し、さまざまな耳疾患のリスクを高めます。
機能への影響
耳は鼓膜から伝わった音波が三つの小骨(こぶし骨、砧骨、鐙骨)を通って振動し、聴覚神経に伝わることで音を感じます。この過程には耳内が常に乾燥し、清潔であることが必要です。タバコの煙は粘液の分泌を増やし、耳内の環境を乱すため、正常な音波伝達が妨げられます。
具体的な影響
ミシガン耳科研究所によると、喫煙者は中耳における液体産生が増加し、液体を排出する微細な毛状突起(繊毛)が機能不全に陥ります。その結果、滞留した液体が細菌の繁殖を助長し、中耳炎や滲出性中耳炎の発症リスクが高まります。
潜在的なリスク
同研究所は、喫煙が中耳への血流を低下させることも指摘しています。血流不足は聴覚神経の酸素供給を妨げ、神経性難聴(感音性難聴)へとつながります。
専門家の見解
ゾラン・ベクバロフスキー医師とジャック・M・カルトゥシュ医師が行った研究では、耳の手術を受けた喫煙者は非喫煙者に比べて中耳疾患の進行が著しく、手術後の回復も遅いことが明らかになっています。
考慮すべき点
米国科学健康評議会は、喫煙者は非喫煙者に比べて中耳疾患の手術が必要になる確率が高く、手術結果も劣ると報告しています。また、受動喫煙にさらされた子どもは、耳感染症にかかりやすくなるため、家庭内の喫煙は特に注意が必要です。
