網膜疾患の概要と主な種類
網膜疾患とは、網膜に影響を及ぼす目の疾患の総称です。網膜は光に感受性を持つ組織で、眼球内側を覆っています。光が網膜に当たると、視神経を通じて脳へ神経インパルスが送られます。網膜が損傷すると、糖尿病性網膜症、網膜血管閉塞、網膜剥離、加齢黄斑変性、網膜裂孔などの重篤な視力障害を引き起こすことがあります。
糖尿病性網膜症
- 長期間にわたる高血糖が原因で、網膜表面に小さな赤い点(微小動脈瘤)として現れます。初期段階では視力低下はほとんどありませんが、進行すると視力障害を招きます。主な治療法はレーザー光凝固や硝子体手術(硝子体除去)です。
網膜血管閉塞
- 網膜に血液を供給する動脈が閉塞し、視力のぼやけや視野欠損を引き起こします。通常は片眼にのみ起こります。治療としては、医師の指示による酸素・二酸化炭素混合ガス吸入や、重症例では硝子体手術が行われます。
網膜剥離
- 網膜が眼球から剥がれ落ちる状態です。光の閃光、視界のかすみ、片眼の視力低下が主な症状です。レーザー手術で裂孔を閉鎖する方法や、網膜再付着手術(硝子体手術を伴う)で網膜を固定します。
加齢黄斑変性(AMD)
- 60歳以上の高齢者に多く見られ、網膜中心部の黄斑が加齢により変性し、視力低下や中心視野のぼやけを引き起こします。治療は主に抗血管新生薬の眼内注射や光線力学療法が用いられますが、症状や進行度により効果は異なります。
網膜裂孔
- 網膜が部分的に剥がれかけた状態で、完全に剥離する前段階です。光の閃光や飛蚊症(視界に浮遊物が見える)を伴います。早期にレーザー手術で裂孔を閉鎖すれば、網膜剥離への進行を防げます。
