主要眼疾患と失明予防のポイント

本稿では、米国および世界で失明の主な原因となっている眼疾患を中心に解説します。結膜炎や目のかゆみ、視界のぼやけ、赤み、痛み、飛蚊症、光の閃光といった一般的な症状や外傷はここでは扱いません。また、全身性疾患(ループス、関節リウマチ、硬皮症など)に伴う眼症状も対象外です。眼疾患は完全に治らないものもありますが、早期診断と適切な治療により予防・進行抑制が可能です。診断を受けたら医師の指示を守り、定期的に眼科を受診しましょう。

白内障(Cataract)

白内障は世界的に失明の主要因のひとつです。水晶体が濁ることで視界がぼやけ、色がくすんで見える、夜間視力が低下する、二重に見える、眩しさを感じるといった症状が現れます。高齢者に多いですが、若年層でも発症することがあります。80歳までに世界人口の半数以上が白内障を経験するか、手術で除去されています。

予防策としては、日差しの強い場所ではつばの広い帽子とUVカットサングラスを着用し、紫外線から目を守ることが推奨されています。進行は緩やかで、初期段階では拡大鏡や強度の眼鏡、明るい照明で視力を補助できます。手術が必要になった場合は濁った水晶体を除去し、人工レンズに置き換えます。

緑内障(Glaucoma)

緑内障は眼圧上昇により視神経が損傷し、徐々に視野が狭くなる疾患です。初期には自覚症状がほとんどないため、知らずに進行するケースが多いです。リスクが高いのは、40歳以上の黒人・ヒスパニック系、60歳以上の全ての人、そして家族歴がある人です。

根本的な治療法はありませんが、処方された点眼薬や必要に応じた手術で眼圧をコントロールし、視神経の損傷を遅らせることが可能です。早期発見が視力保存の鍵となります。

加齢黄斑変性(Age‑Related Macular Degeneration, AMD)

50歳以上の高齢者に多く見られ、中心視野が障害されるため、運転・読書・テレビ視聴など日常生活に支障をきたします。主に「湿性」と「乾性」の2型があり、湿性では黄斑下に新生血管が形成されて漏出、乾性では黄斑の細胞が減少し網膜が薄くなります。

完全に失明することは稀で、周辺視野は保たれます。治療法は現時点で完治は望めませんが、早期に診断すれば抗血管新生活性薬やビタミン・ミネラルサプリなどで進行を遅らせることができます。

糖尿病性網膜症(Diabetic Retinopathy)

糖尿病患者の約半数が罹患し、米国では失明原因のトップです。血糖コントロールが不十分だと網膜の血管が損傷し、出血や滲出が起こります。

年に1回、散瞳検査を含む網膜検査を受けることが推奨されます。治療はレーザー光凝固や手術が中心で、血圧・コレステロール・血糖を適切に管理すれば失明は予防可能です。

予防と日常のケア

眼疾患の予防は、定期的な眼科受診と医師の指示に従うことが基本です。新たな症状が出た際は速やかに受診し、以下の生活習慣を心がけましょう。

  • 日差しが強いときはつばの広い帽子とUVカットサングラスを着用
  • 工具や作業時は保護メガネやゴーグルを使用
  • 目に刺激を与える手を頻繁に洗浄し、感染症を防止
  • 眩しさを軽減するために適切な照明とコントラストを確保
  • 血糖・血圧・コレステロールを医師と連携して管理

これらの対策を継続すれば、眼疾患の発症リスクを低減し、視力を長く保つことができます。

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