マウスの遺伝性疾患をノックアウトする手順
概要
マウスは繁殖力が高く、遺伝性疾患の管理が難しい動物です。これらの疾患は共通した症状や致死性を伴い、形態異常を伴うこともあります。遺伝子の深い解析に基づき、米メイン州バーハーバーのジャクソン研究所などの先端ラボでは、目的遺伝子をDNAから除去する高度な技術が確立されています。遺伝子が「ノックアウト」されたマウス(ノックアウトマウス)は、疾病研究の重要な動物モデルとなります。
必要なもの
- 黒色系統マウス
- 茶色系統マウス
- 代理母マウス(遺伝的に健康な雌)
- 胚性幹細胞(ES細胞)
手順
ステップ1:変異遺伝子を導入した胚性幹細胞の作製
黒色系統マウスから採取した胚性幹細胞に、変異遺伝子を含むDNAを導入します。この細胞は正常染色体と新たに導入された変異染色体を保持します。
ステップ2:胚性幹細胞の胚移植
変異を導入した胚性幹細胞を、茶色系統マウスの活発な胚へ注入します。代理母は遺伝的に健康な雌である必要があります。
ステップ3:代理母への胚移植
茶色系統マウスの胚に、黒色系統マウス由来の胚性幹細胞を組み込んだ状態で、代理母に移植します。変異が導入された胚は高い成功率で着床します。
ステップ4:キメラ個体の確認
出生した子マウスは、黒系と茶系の両方の細胞が混在したキメラとなります。雄雌ともにキメラが確認できれば、交配により目的の遺伝子組み合わせを得られる可能性が高まります。
ステップ5:ノックアウトマウスの遺伝子組み合わせ予測
両親が変異遺伝子を保有している場合、子マウスの遺伝子型は次のように分布します:
・1/4は変異が全くない正常型
・2/4は一方の染色体に変異を持つヘテロ接合体
・1/4は両方の染色体に変異があり、完全なノックアウトマウスとなります。
