閉経(女性の更年期)についての総合ガイド
更年期前期(プレ更年期)
閉経の約2年前からエストロゲンの分泌が徐々に減少し、卵巣の機能も低下します。その結果、月経周期が不規則になり、最終的に停止します。この期間に大量出血が起こることがありますが、鉄欠乏性貧血などの合併症を防ぐために治療が必要です。主な対処法は、出血初期3〜4日間に使用するトラネキサム酸による止血、プロゲステロン錠、抗炎症薬、子宮内膜焼灼術などがあります。
更年期の主な症状
- ほてりや発汗、睡眠障害、うつや気分の変動、頭痛、物忘れ、イライラ感
- 性欲低下、オーガズムの衰弱、頻尿
- エストロゲン減少に伴う膣の潤い不足により、性交時の刺すような痛みや軽い出血が起こることがあります
ホルモン補充療法(HRT)
更年期症状の代表的な治療法はホルモン補充療法です。エストロゲンを少量投与し、子宮を残している場合は合成プロゲステロンを併用する「併用HRT」が行われます。副作用として吐き気、乳房の圧痛、体重増加、むくみがあり、治療期間は約6か月が目安です。長期使用に伴うリスクは、乳がん(使用中止後5年までリスクが続く)、良性乳腺腫、心疾患、脳卒中、血栓、子宮内膜がんなどがあります。
その他の治療法
- チボロン:エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンの作用を持つ合成ステロイドで、毎日服用。ほてりや膣乾燥、刺激感の軽減に加え、骨粗鬆症予防効果があります。
- クロニジン:本来は高血圧治療薬ですが、ほてりの緩和にも有効とされています。
生活上の留意点
更年期は自然な生理的変化であり、病気ではありません。症状緩和のために、以下の習慣が推奨されます。
- 1日20〜30分のウォーキングなど、定期的な有酸素運動
- バランスの取れた栄養食の摂取
- 喫煙や過度の飲酒の回避
- エストロゲン減少に伴う骨粗鬆症リスクを考慮し、1日あたり1500 mg以上のカルシウム摂取を目指す
