異常な月経出血の原因とは
通常の月経は2〜7日間続き、約21日ごとにサイクルが再開します。多くの女性は人生のどこかで異常出血を経験します。異常出血には、月経間の少量出血(スポッティング)、月経間の大量出血、期間が極端に長い・短い、月経が欠ける、または非常に軽い・重い出血が含まれます。妊娠中や閉経後に出血することも異常とみなされます。多くの場合、異常子宮出血は自然な現象ですが、時に何らかの疾患を示すサインでもあります。
妊娠
妊娠中の不規則出血は最も一般的な原因です。軽いスポッティングは必ずしも問題ではありませんが、出血が続く場合は医師に相談してください。特に妊娠初期の大量出血は流産のサインであることがあります。診断は妊娠検査や超音波で行われます。流産後は子宮掻爬術(D&C)が必要になることがあります。また、子宮外妊娠(異所性妊娠)は緊急手術が必要です。妊娠中期以降の大量出血は、前置胎盤などの合併症を示すことがあり、早産や早期帝王切開が必要になる場合があります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンの過不足は異常月経の大きな原因です。思春期や閉経前のホルモン変動、体重変化、激しい運動、過度なストレス、特定の薬剤の副作用などが関与します。エストロゲンが過剰になると子宮内膜が肥厚し(子宮内膜過形成)、放置すると子宮内膜がんに進行する恐れがあります。経口避妊薬やホルモン補充療法で調整することが一般的です。
IUD(子宮内避妊具)と経口避妊薬
IUDは子宮内膜を刺激し、出血や痙攣を引き起こすことがあります。装着直後に問題がなければ、IUDが原因と考えられます。取り外すことで月経は正常に戻ります。経口避妊薬は開始初期にスポッティングや長い月経、月経欠乏が起こりやすく、服用を続けても改善しない場合は医師と相談し別の製剤に変更します。服薬を忘れると不規則出血が起こりやすいため、毎日同じ時間に服用することが重要です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
PCOSは排卵障害に伴うホルモン異常で、にきび、肥満、過剰な体毛などが見られますが、月経不順や無月経は必ず伴います。心血管疾患、糖尿病、子宮内膜がんのリスクが高まるため、早期診断と治療が重要です。血液検査や超音波検査で診断し、経口避妊薬で月経を規則化し、子宮内膜がんの予防に役立てます。妊娠を希望しない場合は、インスリン感受性を高める薬剤や生活習慣改善が推奨されます。
骨盤臓器の感染
月経時に疼痛や緑色の悪臭を伴う分泌物がある場合は、子宮・子宮頸部・卵巣などの感染が疑われます。性交後や膣洗浄後に出血が起こることがあります。性感染症が原因となることが多く、骨盤内炎症性疾患(PID)は子宮、卵管、卵巣の炎症を引き起こします。診断後は抗生物質で治療し、原因となる感染症に合わせた治療を行います。
子宮筋腫
子宮筋腫は子宮筋層にできる良性腫瘍で、30代〜40代の女性に多く見られます。特に黒人女性に高頻度で、アジア人女性は稀です。大量出血、月経間出血、腹部圧迫感、腎機能障害などが症状として現れます。原因は不明ですが、手術(筋腫摘出術、子宮動脈塞栓術、子宮全摘)や薬物療法(経口避妊薬など)で管理できます。閉経に伴い自然に縮小することもあります。
その他の原因
子宮頸部や子宮内膜にできるポリープ、出血性疾患(血友病など)、子宮・子宮頸がん、性的虐待、膣内異物、強い精神的ストレス、糖尿病なども異常出血の原因となります。ポリープは外科的に除去し、組織検査で良性か悪性かを確認します。出血性疾患は血液検査で診断し、適切な治療を行います。
