単純ヘルペス角膜炎とは?
ヘルペスウイルスは口唇ヘルペスや性器ヘルペスで知られていますが、眼にも感染し「単純ヘルペス角膜炎(ヘルペス角膜炎)」を引き起こすことがあります。主にヘルペス単純ヘルペスウイルス1型(HSV‑1)が原因で、口唇ヘルペスの感染が眼に波及して発症します。
頻度
米国では毎年約2万人が初めて単純ヘルペス角膜炎を発症し、さらに2万8千人が再発を経験します。西欧諸国では感染性失明の主な原因の一つで、成人に多く見られます。
症状
主な症状は眼の充血、痛み、光過敏、腫れ、視力低下、涙様分泌です。症状は非特異的なため、眼科医でも見落としやすいことがあります。軽症は角膜表層のみが侵され、瘢痕を残さず治癒しますが、放置すると深部組織にまで広がり、重篤な眼障害を引き起こすことがあります。
治療
第一選択は抗ウイルス薬(アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル)です。経口または点眼薬として投与し、発症初期に使用すれば症状を抑制できます。重症例では角膜組織のデブリードメント(病変組織除去)や、瘢痕や視力低下が残った場合に角膜移植が必要になることがあります。ヘルペスウイルスは体内から根絶できないため、再発のリスクは常に残ります。
予防
口唇ヘルペスがあるときに目を触らないことが最も効果的です。既に発症した人は、ストレス、外傷、過度の日光曝露などの再燃因子を避けると再発を抑えられます。コンタクトレンズの使用も再活性化のリスクがあります。頻繁に再発する場合は、低用量の抗ウイルス薬を毎日服用することで発症頻度を減らすことができます。
リスク
多くは良性経過ですが、角膜移植が必要になるケースも多く、早期治療が重要です。小児に発症した場合は両眼に波及しやすく、視力障害や再発のリスクが高くなります。
