高血圧治療ガイドライン
食事と生活習慣の改善による治療
軽度の高血圧の場合、まずは薬に頼らない生活習慣の見直しが基本です。食事管理は特に重要で、血圧を下げることを目的とした DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食が推奨されます。全粒穀物、果物、野菜、低脂肪乳製品を中心に摂り、飽和脂肪酸や総脂質の摂取を大幅に減らすよう心がけましょう。
塩分は意識的に減らし、調味料や加工食品・インスタントスープに含まれる過剰なナトリウムを避けます。味覚は慣れれば塩分が少なくても満足できるようになります。また、カリウムを多く含む食品(バナナ、ほうれん草、豆類など)を積極的に摂取すると、血圧の安定に役立ちます。
定期的な運動と体重管理も欠かせません。1日30分程度の有酸素運動を続けるだけで血圧に好影響があります。喫煙は血圧を上昇させるため、禁煙を強くおすすめします。飲酒は控えめにし、適量(男性は1日2杯程度、女性は1杯程度)に留めましょう。ストレスが高い方は、深呼吸やリラクゼーションを取り入れたストレス管理プログラムを試すと効果的です。
第一選択薬治療
生活習慣改善だけで血圧が十分にコントロールできない場合、医師は薬物療法を提案します。主な第一選択薬は次のとおりです。
- ベータ遮断薬:血管を拡張し血圧を下げる。
- チアザイド系利尿薬:腎臓でのナトリウム排泄を促進し、体液量を減少させる。
- ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬):血管収縮を促す物質の生成を抑制する。
- カルシウム拮抗薬:血管平滑筋を弛緩させる。
追加薬物治療
第一選択薬だけでは十分な効果が得られない場合、以下の薬剤を組み合わせて使用することがあります。
- 血管拡張薬:動脈壁の平滑筋収縮を防ぎ血管を広げる。
- α遮断薬:血管収縮を引き起こす神経インパルスを抑制する。
- α・β遮断薬:α遮断とβ遮断の両方の作用で血管と心拍数を調整する。
- 中枢性降圧薬:中枢神経での血管収縮シグナルを阻害し、心拍数の上昇も抑える。
難治性高血圧
複数の薬剤を組み合わせても血圧が十分に下がらない場合、難治性高血圧と診断されます。医師はまず、二次性高血圧の原因(腎臓疾患、内分泌異常など)を徹底的に検査し、必要に応じて治療方針を見直します。また、薬剤の種類・用量を微調整し、最適なレジメンを探ります。降圧薬は副作用や相互作用のリスクがあるため、使用にあたっては医師からの十分な説明を受け、自己判断で中止しないようにしてください。
