ホルモン補充療法のメリットとリスク

ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後に体内で産生されなくなった女性ホルモンを補う治療です。主にエストロゲンとプロゲステロンの減少による更年期症状の緩和を目的としています。治療法は大きく分けて、エストロゲン単独投与と、エストロゲンとプロゲステロン(合成プロゲステロンであるプロゲスチン)を併用する「併用療法」の2種類があります。

メリット

  • 短期間の使用で骨密度の低下を抑え、骨粗鬆症の予防に役立つ(メイヨークリニック)
  • 若年層の女性において、大腸がんや心血管疾患のリスク低減が報告されている
  • 膣の乾燥やかゆみ、性交時の不快感が改善される
  • 更年期特有のほてり、夜間の発汗、不安感、睡眠障害が軽減される
  • エストロゲン投与により皮膚のコラーゲン量が増加し、肌のハリが向上する

リスク

  • エストロゲン単独または併用療法は、子宮がん・乳がんのリスクを上昇させる(米国がん協会)
  • 女性の健康イニシアチブ(WHI)研究では、乳がんの侵襲性リスクが約24%増加することが示された
  • 併用療法の使用が減少した近年、乳がん罹患率も低下している
  • 卵巣がんのリスク上昇の可能性が指摘されている
  • 血栓、脳卒中、胆嚢疾患、尿失禁などの副次的リスクも報告されている

副作用(一般的な症状)

  • 腹部膨満感、吐き気、頭痛、気分の変動
  • 体液貯留によるむくみ、月経様出血の不規則化、乳房の圧痛
  • 個人差が大きく、症状の出方は人それぞれである

治療を開始する前に、医師とリスクとベネフィットを十分に相談し、適切な投薬計画を立てることが重要です。

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