酢酸ロイプロリド(ルプロン)の副作用と注意点
酢酸ロイプロリド(商品名:ルプロン)は、視床下部が自然に分泌するホルモンの作用を模倣する処方薬です。男性ではテストステロンの産生を抑制し、女性ではエストロゲン濃度を低下させます。そのため、子宮出血による貧血、子宮内膜症の疼痛、前立腺がん、早発思春期(男女)などの治療に用いられます。
主な副作用
最も一般的な副作用は長期的な危険性が低く、使用開始から1週間以内に現れ、数週間で自然に軽減します。約55%の患者が「ホットフラッシュ(顔や体のほてり)」を経験し、顔や四肢のむくみ、全身の疼痛、倦怠感も10%以上で報告されています。
その他の副作用
男性では睾丸縮小、勃起不全、乳房の女性化が見られることがあります。女性は乳房の圧痛や疼痛を訴えることがあります。消化器系の症状としては、吐き気・嘔吐、口や喉の乾燥、下痢、食欲不振、便秘があります。神経系ではめまい、立ちくらみ、不眠、頭痛、不安、気分変動、手足のしびれやチクチク感が報告されています。さらに、骨・筋・関節の疼痛、皮膚乾燥、鼻づまり、頻尿、尿路感染症の増加も見られます。
心血管系の副作用
心血管系の副作用としては、心筋への血流低下(虚血)が最も多く、冷や汗、息切れ、胸・首・腕・顎の痛みが現れます。また、血圧上昇や心雑音も報告されています。既往に心血管疾患がある方やリスクが高い方は特に注意が必要です。
重篤なリスク
稀に血栓、心筋梗塞、脳卒中が起こることがあります。神経系の重篤な副作用としては記憶障害、痙攣、妄想、一時的な麻痺、失神があります。皮膚、膀胱、耳のがんが報告されることもあり、骨粗鬆症や骨折リスクの増加も懸念されます。
使用上の留意点
妊娠中の使用は禁忌です。また、経口避妊薬との併用は副作用を増強する可能性があります。めまいや眠気を伴うため、運転や重機の操作は慎重に行ってください。心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中、脊髄病変、前立腺炎による排尿困難、骨粗鬆症の既往がある場合は、医師が処方を見合わせることがあります。
