小児における副腎抑制の症状とリスク要因

副腎抑制は、子どもの副腎皮質機能が低下し、コルチゾールやアルドステロンの産生が減少する状態です。この危険な状態は見落とされがちですが、適切な検査で簡単に診断・治療できます。副腎抑制が疑われる場合は、小児内分泌専門医の診察が必要です。

副腎抑制とは

副腎抑制(副腎不全)は、副腎皮質の機能が障害され、重要なホルモンであるコルチゾールとアルドステロンの産生が減少する状態です。副腎が出血や感染により機能を失うこともあります。副腎抑制は一次性と二次性に分けられます。

一次性副腎抑制

一次性副腎抑制は、直接副腎が機能しなくなる場合です。最も一般的な原因は自己免疫による副腎破壊で、単独で起こることも、他の自己免疫疾患と併発する多腺性自己免疫症候群の一部として起こることもあります。代表的な併発疾患には橋本病、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)などがあります。

副腎皮質が90%以上破壊されると、アジソン病(慢性副腎不全)となります。

一次性副腎抑制は10歳未満の子どもではまれですが、思春期や成人で比較的頻繁に見られます。

二次性副腎抑制(中枢性副腎不全)

二次性副腎抑制は、下垂体や視床下部の異常により副腎皮質が十分に刺激されない状態です。視床下部が副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)を分泌しない、または下垂体が副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌しない場合に起こります。

小児における二次性副腎抑制の正確な罹患率は不明ですが、先天性副腎過形成(酵素欠損によるコルチゾール・アルドステロン合成障害)に起因するケースは約16,000人に1例と報告されています。

主な症状

以下の症状が現れることがあります。

  • 塩分への渇望
  • 倦怠感・疲労感
  • 体力低下・筋力低下
  • めまい・失神
  • 発汗、イライラ感
  • 吐き気・嘔吐
  • 腹痛・下痢

副腎抑制の原因(一次・二次以外)

一次・二次の医学的要因に加えて、ステロイドの使用が子どもの副腎抑制を引き起こすことがあります。喘息の治療で吸入ステロイドを使用する子どもや、湿疹など皮膚疾患で局所ステロイドを使用する子どもが該当します。

結核やHIV感染も副腎皮質に負担をかけ、抑制を招くことがあります。また、サラセミアの患者が頻繁に輸血を受け、鉄が副腎や下垂体に沈着すると、副腎抑制が生じることがあります。

臨床上の重要性

副腎抑制は生命に関わる危険な状態です。症状が軽微である場合もありますが、うつ病や慢性疲労症候群と誤診されることがあります。症状が進行すると急性副腎不全(アジソン危機)に陥り、迅速な治療が必要です。

ステロイドを使用している子どもで上記の症状がみられる、またはサラセミアなどのリスク因子がある場合は、医師に血液検査や尿検査で副腎機能の評価を依頼してください。治療は不足しているホルモンを経口で補充するだけで効果的です。

上記の症状はすべて、放置すると致命的になる可能性のある副腎危機のサインです。早期発見・治療が重要です。

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