電解質バランスの乱れがもたらす影響

電解質は血液や体液に存在するミネラル(カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなど)で、心臓や筋肉を含むすべての細胞の機能に関わります。呼吸、発汗、腎臓の働きなどで常に調整されていますが、慢性疾患や特定の薬剤、嘔吐・下痢による脱水、出血、長時間の低酸素状態などが原因で、軽度から命に関わる重度までの電解質異常が起こります。治療は原因の除去と、必要に応じたミネラル補充、適切な水分管理です。

カリウム(K)

  • 高カリウム血症(過カリウム):関節痛、濁った尿、息切れ、倦怠感、不整脈、嘔吐などが現れ、腎不全や運動失調、最悪の場合は死に至ります。主な原因は腎疾患や利尿薬の使用です。
  • 低カリウム血症(低カリウム):筋力低下、倦怠感、膨満感、不整脈が主な症状です。適切にカリウムを補充すれば、完全回復が期待できます。

ナトリウム(Na)

  • 高ナトリウム血症(過ナトリウム):特に渇覚が低下した高齢者でリスクが高く、放置すると脳障害や昏睡に至り、不可逆的な損傷になることがあります。
  • 低ナトリウム血症(低ナトリウム):過度の水分摂取や利尿薬で起こりやすく、嘔吐・吐き気に加え、筋痙攣、倦怠感、イライラ、混乱、血圧異常、尿量減少、むくみ、渇き、痙攣、けいれんなど多様な症状が現れます。水分制限や適切な補正が必要です。

カルシウム(Ca)

  • 高カルシウム血症(過カルシウム):がん治療の副作用として頻繁に見られ、筋力低下、四肢のしびれ・チクチク感、食欲不振、意識混濁、嘔吐が起こり、重症化すると昏睡、痙攣、死亡につながります。
  • 低カルシウム血症(低カルシウム):筋肉の痙攣や手足のしびれ、うつ状態、イライラ、眠気、混乱、不整脈が典型的です。ビタミンD欠乏、腎不全、がん治療の影響で起こります。

マグネシウム(Mg)

  • 高マグネシウム血症(過マグネシウム):マグネシウム系制酸剤や下剤の過剰使用、腎疾患、糖尿病が原因で、呼吸困難、錯乱、筋力低下、徐脈、低血圧を引き起こします。
  • 低マグネシウム血症(低マグネシウム):食欲不振、震え、めまい、精神混濁が見られ、肝硬変、妊娠前置胎盤症、膵炎、長期下痢などが原因です。生命に関わるため、速やかな治療が必要です。

疾患 - 関連記事