瘢痕組織が引き起こす痛みと対策
瘢痕組織は、収縮した結合組織で、線維性かつ密度が高いものです。これが集まって瘢痕(傷跡)を形成します。手術や外傷などで組織が損傷すると、自然に瘢痕ができるのはこのためです。神経根付近に瘢痕組織ができると「硬膜外線維症」と呼ばれ、背部手術後に非常に多く見られます。また、帝王切開を繰り返す女性は、体内に瘢痕組織や癒着ができやすくなります。
体の修復
体は外傷や手術後に自己修復を試みます。その過程で線維性の瘢痕組織が生成されます。瘢痕自体には神経終末がなく痛みを直接生じさせませんが、瘢痕が形成した繊維性癒着が神経根に引っ張られることで痛みが生じます。
癒着
慢性的な腹痛の多くは、腹部にできた瘢痕組織が原因です。瘢痕が帯状に伸びて臓器や他の組織に付着すると、癒着が生じます。癒着は本来結びつくべきでない部位同士を結びつけ、引っ張られる感覚や痛みを引き起こします。
絡み合う混乱
手術や腹膜炎(腹膜の炎症)後に、瘢痕組織や癒着が腸管を絡ませ、閉塞を起こすことがあります。腸閉塞は激しい疼痛を伴う緊急状態です。
潜在的な問題
瘢痕組織や癒着は痛みを伴わないこともありますが、場合によっては他の問題を引き起こします。例えば、卵管の閉塞を招き不妊の原因になることがあります。
発生部位
瘢痕組織や癒着は体のあらゆる部位に生じ得ます。眼の周囲にできれば緑内障のリスクが高まりますし、心臓周囲では心膜炎を引き起こすことがあります。
影響
痛みの程度は瘢痕の位置に大きく依存します。癒着が臓器や神経を引っ張ると、伸展時や深呼吸時に引っ張られる感覚とともに痛みを感じます。
対策
外科的に線維性組織や癒着を切除する手術が行われます。これにより臓器の自由度が回復し、疼痛が軽減されます。
