リウマチ性心臓弁膜疾患の概要
リウマチ熱とは
米国心臓協会(AHA)によれば、リウマチ熱が心臓の弁を損傷するとリウマチ性心臓弁膜疾患(RHD)となります。リウマチ熱は溶連菌感染(咽頭炎)に続く炎症性疾患で、主に5歳から15歳の子どもに発症しやすく、皮膚・関節・脳・心臓などの結合組織に長期的な障害をもたらします。
大動脈弁の損傷
弁が正常に閉じないと血液が逆流し、これを弁膜逆流(レギュレジテーション)と呼びます。リウマチ熱により大動脈弁が損傷すると、最終的に大動脈弁逆流が生じます。
主な症状
- 疲労感・倦怠感
- 運動時の息切れ
- 胸痛、動悸(不整脈)
- 足や足首のむくみ
これらの症状は数年かけて徐々に現れることが多く、早期発見が重要です。
治療方針
治療は逆流の程度と心機能への影響に応じて決定します。医師は定期的に心エコー検査を行い、心機能の低下有無をモニタリングします。
外科的介入
弁の狭窄や逆流が重度の場合、手術で弁の修復(弁形成術)や置換が行われます。機械弁置換は耐久性が高いものの、血栓リスクが伴うため抗凝固療法が必要です。手術後の予後は概ね良好です。
予防策
溶連菌性咽頭炎をペニシリン系抗生物質で早期に治療すれば、急性リウマチ熱の発症を防ぎ、結果としてリウマチ性心臓弁膜疾患の予防につながります。既にリウマチ熱を経験した患者は再発防止のため、長期(場合によっては生涯)にわたる抗生物質投与が推奨されます。
