定義

腸重積は、小腸や大腸の一部が自分自身の中に折り込まれる緊急性の高い状態です。成人ではまれですが、子どもでは最も一般的な腸閉塞の原因です。腸が食物や液体を通過できなくなり、血流が遮断されると壊死の危険があります。

症状

成人の場合、突然の激しい腹痛、嘔吐、悪心、痙攣、便通の変化、直腸出血などが現れます。症状は急性でも慢性でも、断続的でもあります。

乳児では、腹部の膨満感やガス、コリックに似た症状が見られ、足を胸に引き寄せて泣くことがあります。嘔吐や発熱、血便(ゼリー状の便)も見られ、ヘルニアやガスと誤診されやすいです。皮膚が蒼白で心拍数が上がり、発汗がある場合は腸穿孔の可能性があり、緊急対応が必要です。

原因

多くの場合、原因は不明です。ウイルス感染が関与することがあります。嚢胞性線維症の子どもはリスクが高いとされています。過去にはロタウイルスワクチンと腸重積の関連が指摘されましたが、現在のワクチンでは増加は見られていません。腫瘍、ポリープ、腸の瘢痕組織、慢性下痢、過敏性腸症候群なども原因となり得ます。

リスク要因

3か月から6歳までの子どもが最も罹患しやすく、全症例の65%は1歳未満です。男性に比べ女性の発症率は約半分です。一度腸重積を経験した子どもは再発リスクが高くなります。

治療

かつてはバリウム浣腸で診断・治療が行われましたが、現在は超音波検査で診断し、空気浣腸が第一選択です。空気圧で腸を元の位置に戻すことで、児童の75〜90%で成功します。必要に応じて抗生物質投与や外科手術が行われます。腸が壊死したり穿孔した場合は手術が不可欠です。

予後

早期に適切な治療が行われれば、ほとんどの患者は完全に回復します。診断が遅れると腸壁が壊死し、内容物が腹腔に漏れ出して腹膜炎を起こす危険があります。腹膜炎は生命を脅かす状態で、外科的処置が必要です。