認知症の症状と対策
認知症(老化に伴う認知機能の低下)は、特定の病名ではなく、脳に影響を及ぼすさまざまな基礎疾患の総称です。記憶障害や日常生活の遂行困難が主な症状で、高齢者に多く見られます。本人だけでなく、家族や介護者にも感情的・経済的な負担をもたらすことがあります。
原因
- アルツハイマー病、脳卒中、外傷、パーキンソン病による認知症、ハンチントン病などの神経変性疾患
- 家族歴や特定の薬剤、感染症が引き起こす二次的認知症
- 原因が薬剤や感染症の場合は、適切な治療で症状が改善・逆転することがありますが、神経細胞の破壊が原因の場合は進行性です。
初期症状
- 短期記憶の低下(会話をすぐに繰り返す、物の置き場所を忘れる)
- 名前や約束事を忘れる、気分が不安定になる
- 料理や運転など、日常的な作業ができなくなる
- 慣れた環境での混乱や、性格の変化が見られることもあります
中期症状
- 入浴・食事・着替え・トイレなど、基本的な生活動作が自立できなくなる
- 注意散漫、うつ状態、幻覚、妄想、攻撃的な行動が出現することも
- 新しい情報の学習や処理が困難になる
重度症状
- 歩行が困難、完全に介護者に依存する状態になる
- 身近な家族や友人を認識できなくなる
- 長期記憶が失われ、会話が意味不明になることがある
リスクと合併症
- 嚥下障害による窒息や誤嚥、肺炎のリスクが高まる
- 脳卒中、褥瘡、脱水、排尿失禁、転倒による外傷などの二次的リスクが増加
- 初期・中期では「思考や記憶ができない」ことへのフラストレーションが強く、怒りや不安を示すことが多い
- 重度になると無表情で黙り込み、言語が不明瞭になることがある
治療薬と支援
- 進行が不可逆的な認知症の場合、症状は数年にわたりゆっくりと悪化します
- ドネペジル(商品名:Aricept)やリバスチグミン(商品名:Razadyne)などは、記憶や判断に関わる脳内化学物質を活性化し、症状の進行を遅らせることが期待されています
- 医師と相談し、適切な薬剤選択や介護支援団体・サポートグループの利用を検討しましょう
